遺言の存在と内容は知らせておく。知らせていないときのリスク

yujiroyamamoto

相続人どうしが話し合うのは苦しい

高齢化社会になって、相続に直面する機会が増えてきました。

実際に亡くなった方の中でも、相続税の申告が必要になる人、相続税を支払うことになる人の割合が増えています。

そんな中、相続をスムーズに進めるために必要とされているものの一つが遺言書です。

遺言書がなければ、残された相続人で話し合うことになります。

普段仲が良くてもお金のことになると、そこはシビアになり、関係性に亀裂が入ってしまうということも見聞きします。

遺言書は、そういったリスクを減らすために有効です。

ただ、遺言書は作って終わりではなく、その存在を次の世代、相続人に知らせておく必要があります。

遺言の存在と内容は知らせておく

遺言の存在と内容は知らせておく

遺言書があることを相続人である子供たちに知らせていないケースを見聞きします。

特に、一人の子供に偏った財産を承継させるといったケースです。

結局、見せられないということは、万人受けする相続、遺言書の内容ではないということを本人も自覚しているからにほかなりません。

生前に見せなければ、自分が行きているうちに煩わしいことは起こりません。

しかし、自分が亡くなった後、遺言書を開けて、一部の相続人には受け入れられないような内容になっていて、そこで子供たちの間で不平不満が生じてしまうと、結局、相続がスムーズに進められないといったことが起こります。

また、遺言書を自分で作っても、誰にも発見されないと、遺産分割を相続人同士で行うことになり、困難な状況に陥ってしまいます。

そうならないためにも、生前に遺言書の存在は身近な人に知らせておきましょう。

配偶者が健在であれば配偶者、そして子供さんがいらっしゃれば子供さんに、遺言書の存在を知らせておきます。

遺言執行者を決めておく

遺言執行者は、遺言に書いてある内容どおりに進めていく人です。

  • 相続人への通知
  • 預金の解約
  • 不動産の名義変更
  • 金融資産の名義変更
  • その他、遺言の内容を進める手続き

相続人である子供の代表者にすることもあれば、遺言書を作成してくれた司法書士にお願いすることもあります。

遺言執行者を決めていれば、必然的に生前に自分以外の関係者が遺言書の存在を知ることになります。

自筆証書遺言

その名の通り、自分で書く遺言をいいます。

自筆証書遺言は、それが実際に本人が書いたものなのかを立証するために、家庭裁判所で検認を受ける煩わしさがありました。

また、紛失・隠蔽・改ざんといったリスクも。

それが法律改正で2020年からは、自筆証書遺言でも法務局に届け出ることができます。

法務局に届け出れば、法務局で保管してもらえるので、上記のリスクを減らせます。

最たるは、家庭裁判所の検認が不要になることですね。

また、相続人に限っては法務局で遺言書を閲覧することも可能です。

財産が預貯金だけであるとか、法定相続分通りに財産分与するといったオーソドックスな内容であれば、この自筆証書遺言の法務局保管で十分ではないでしょうか。

公正証書遺言

一方、公証役場で司法書士や証人が立ち会いのもと、公証人が公正証書として作る遺言が公正証書遺言です。

自筆証書遺言を法務局で預ける形式ができる前までは、この公正証書遺言が一番確実でした。

自筆証書遺言に比べると司法書士さんにお願いする費用も出てきますので、それなりの費用になります。

ただ、遺言の内容が複雑多岐にわたるケース、また法定相続分以外の割合で遺産分割をするケースは、司法書士さん経由で公正証書遺言にしておくのが安全でしょう。

遺言信託

信託銀行で作る遺言信託というものがあります。

これは資産家のかたが、銀行からの営業でお願いされて作るケースが多いでしょう。

相続人に知らされないまま、本人と銀行との間で作ってしまうこともあります。

本人亡きあと、遺言信託の存在を相続人が知らなければ、相続人同士でそれぞれの思惑で財産分与の話になります。

遺言書に本人の希望が書いてあるのに。

遺言信託を作ったのであれば、その存在を相続人である子どもに知らせておきましょう。

そうでないと、その遺言の内容に沿った遺産分割ができないリスクが生じてしまいます。

生前に自分の言葉で説明する

今日は、遺言書を作ったら、その存在と内容は知らせておくこと、知らせていないときのリスクについてお伝えしました。

遺言書を作ったものの、それを知る存在がいなかったら、その遺言書の内容を実行してくれる人がいません。

生前、子供たちに遺言の内容を伝えるのが嫌だという方は、どこかでその内容に不備があることを、自分自身でも分かっているのだと思います。

相続人全員が納得する100%の相続は難しいもの。

でも、100%に近づける努力は必要です。

それが本人の言葉であり、自分の言葉で説明することが大事でしょう。

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