「〇〇は経費?」。そこに理路整然とした理由があるか<No 834>

)北新地でカニを少々

 

 

「〇〇は経費になるのか?」

税理士が、お客様から聞かれることの上位にくる質問です。
 
〇〇は、「スーツ」や「腕時計」であったり「友人との食事代」など。
 
わざわざ聞くということは、ご本人が
「経費にならないだろうけど、経費に入れたい」
気持ちがあるからなのでしょう。
 
結論から言えば、「ケースバイケース」であり、
経費になる場合もあれば、ならない場合もあり、
部分的に経費になるケースもあります。
 
 
 

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そこに理路整然とした理由があるか

法律の条文には「〇〇は経費になり、〇〇は経費にならない」と、
個別・具体的に書かれていることは多くありません。
 
税理士としては、その条文が意図していることを大枠で読み取り、
現場ごとに判断します。
 
それだけでは心許ないので、国は逐条解説や質疑応答事例といった
文書で個別事例を提供してくれています。
 
それでも、すべての事例を抑えているわけではないので、
最終的には現場ごとに判断せざるを得ないといった現状です。
 
 
 

現場ごとの判断

ケース1

決算で利益が出たので、社長がROLEXのエクスプローラーを50万円で購入し、
これを経費に入れたとします。
 
社長の言い分は、「前から欲しかったし、黒字が出たので経費で買った」といったケース。
 
 
 

ケース2

電気工事業を営むひとり親方であるご主人は、毎年コンスタントに売上を伸ばし、
利益も順調に確保することで資金繰りに余裕が出てきました。
 
最近、ビジネス上のつながりを作るために経営者交流会に参加したところ、
参加した経営者は皆さん立派な時計をしています。
 
これまで腕時計をしたことがなかったご主人ですが、
腕時計はその交流会での参加資格と解釈し、エクスプローラーを50万で購入しました。
 
普段、業務中にはぶつけるとイケないので、腕時計ははめません。
また、腕時計を付けること自体に慣れていないので、プライベートでもはめません。
 
腕時計を利用するのは、その交流会に参加するときのみです。
 
そして、時計を付けて交流会に参加したところ、同じ時計を付けている経営者の方と意気投合して200万円の工事受注をいただけることになりました。
 
 
 

税理士の判断

 
「ケース1は黒だし、ケース2も1とやってることは同じだし黒だろう」
「ケース1は黒だけど、ケース2には理由があるし白なんじゃない?」
 
税理士が、「腕時計を経費に入れたい」と言われた場合、
「経費にならない」と応えることが多いのではないでしょうか。
 
その理由は、プライベートでも使えるものであり、
事業用と家事用の線引が難しいから。
 
後は、そもそもそういった事例がオープンになっていないので、
経験上の取り扱いがないから。
 
私自身、これと似た話を聞いたとき、最初はケース1だと決め込んで、
完璧黒だと思いました。
 
しかし、購入するまでの経緯、利用方法などを聞くうちに、
完璧黒と判断するのではなく、「経費になる余地がいくらか残されているのでは」と思うようになりました。
 
実際、逐条解説や質疑応答事例まで調べていないので、
該当するケースがあるのかどうかはわかりません。
 
ただ、そこに理路整然とした理由があるのなら、お客様目線で柔軟に対応するのも一つだなと。
 
勿論、真っ白ではないのでリスクがあることを承知していただきます。
(※すべて個人的見解ですので、類似事案を容認するものではありません)
 
 

 

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判例、条文、通達、事例

まずは、判例(裁判例)、条文(法律)、通達(行政内部での決まりごとを記した文書)、
事例など、公になっているもので判断します。

それでも判断出来なければ、国税や関係各所に直接聞きに行くなどの方法もあるでしょう。

ただ、聞いたそこで白の返事をもらったとしても、将来起こり得る税務調査で白と言ってくれる保証はありません。

そういった意味で税理士は、対お客様・対税務署とのコミュニケーション能力が必要とされる
職業なのでしょう。