法人から個人への名義変更に注意。解約返戻金で移転すると追徴が来るリスク
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法人から個人への名義変更に注意
保険は、死亡したり、解約をしたときに課税関係が生じます。
- 契約者
- 被保険者
- 受取人
によって、相続税や贈与税になるときもあれば、所得税がかかることもあります。
亡くなった人から、相続人に移転すれば相続税。
相続で、被相続人以外から相続人だと贈与税。
自分から自分に移転すれば所得税。
では、法人から個人へ名義変更した場合はどうなるのか?
通常、解約時の解約返戻金を支払って移転すれば、課税関係は生じません。
ところが、こうした保険を利用した過度な節税が横行したために、2021年の税制改正で解約返戻金による移転ができなくなりました。
解約返戻金で移転すると追徴が来るリスク
マニュライフ生命保険株式会社に対する行政処分について
https://www.fsa.go.jp/news/r4/hoken/20220714-1/20220714-1.html
マニュライフの名義変更を目的とした過度な節税保険について金融庁が行政処分を下しました。
これを受けて国税庁が当該保険の課税処理について2021年7月に改正しています。
改正前までは、解約返戻金で移転できたのが、法人の資産計上額で評価することなったのです。
該当する保険契約は、解約返戻金の額が、資産計上額の7割未満の場合。
仮に、解約返戻金100万円 資産計上額が1,000万円だと、
100万円 < 1,000万円 ✕ 70%
となるので、解約返戻金の100万円で評価することができず。
資産計上額である1,000万円で評価することになったのです。
条件は、
- 2019年7月8日以降の法人契約(法人税基本通達9-3-5の2の適用を受ける契約)
- 2021年7月1日以降に名義変更する場合
よって、2019年7月8日以降に法人契約した保険を、今、個人へ名義変更するのであれば、その評価は、資産計上額となります。
資産計上額は、既払保険料のうち、会社が、保険料として経費にした金額ではなく、前払保険料として資産計上した金額の合計額です。
こうした金額は、保険証券や決算期に会社宛に送られてくる通知に記載されています。
本来の価格よりも低い価格で会社が手放したとなると、低額譲渡に該当します。
- 法人は差額を個人へ寄付したことになる
- 個人は資産計上額を一時所得として再計算
いずれも修正申告の対象となるので注意が必要です。
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