同族会社・小規模事業者の定額減税。経理でどこまでやるか?
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定額減税がはじまります
6月からスタートする定額減税、なにかとにぎわっています。
定額減税の手引きを読まれたかたなら、どなたもうんざりされたことかと。
こねくり回した煩雑な内容で、誰得なのかわかりません。
とはいえ、法律で決まったことなので仕方がありません。
この定額減税、「年末調整のように最後に精算すればいいんじゃないか?」なんて意見もあるようですが、はたしてそれでいいのか?
- 国がどういう思惑でつくったのか?
- 一般のかたはどうして欲しいのか?
- 経理担当者や社長はどうしたいのか?
考えてみました。
同族会社・小規模事業者はどこまでやるか?
減税するのであれば、年末調整になり確定申告ですれば一番スムーズだと思うのですが。
国としては、増税なんちゃらなんて言われたから、今すぐやった感を出してアピールしたいのかもしれません。
経理をする側のことよりも、多くの国民に減税の恩恵を味わって欲しいのでしょう。
とはいえ、
経理担当者の負担>恩恵の味わい
のような気がしないでもありません。
正直、経理担当者のかたは、手間がかかるだけで嬉しくないでしょう。
恩恵を受ける側でも、毎月の手取りが少し増えるよりも、年末調整でたくさん返ってくるほうが嬉しいのではないでしょうか。
そうは言っても決まったことなので、原則の取り扱いから見ていきます。
原則
所得税
所得税は、ひとりにつき3万円の控除を受けることができます。
さらに、配偶者3万円、扶養家族1人につきプラス3万円。
なので、夫婦+子供一人なら合計9万円の控除が受けられます。
これらの控除額を、所得税は6月の給料にかかる源泉所得税から減額していきます。
6月で引き切れなければ、7月分以降の給料から引いて、最終12月分でも引き切れなければ還付されます。
繰越された減税額を管理するためのExcelシートがあります。
給与計算ソフトを利用していれば、バージョンアップで定額減税の機能が加味されるでしょう。
住民税
一方、住民税は、1万円の控除を受けることができます。
夫婦+子供一人なら合計3万円の控除となります。
住民税は、6月分からではなく、7月分から控除していきます。
所得税の場合、給与計算ソフトを使えば楽でしょうし、手書きやExcelの給与台帳で間違っても年末調整や確定申告で最終チェックできるので問題ないでしょう。
対して、住民税は、すでに確定した前年の住民税を、「納付書で訂正して納めてくれ」と総務省は言ってます。
)個人住民税の定額減税(案)に係るQ&A集 総務省
住民税通知書の様式は、各市町村で異なるので、面倒なことこの上なく。
市町村が把握している扶養の状況に応じて、既に定額減税が加味された金額で届くのか?
それとも、QAの表記のとおり経理側でいちいち訂正しないといけないのか?
訂正するとなると、めちゃくちゃ大変ですね。
社員10名以下ならまだしも、数十名から100名以上になると、扶養の数の確認なんかも大変でしょうし。
同族会社・小規模事業者の定額減税
では、同族会社や小規模事業者も原則に載っとってやらなければならないのか?
一応、やることにはなっていますが、結果が同じであれば、所得税については年末調整一本でやればいいんじゃないかと。
小規模事業者なら、毎月の手取りを多くするか、年末調整でどかっと返してもらうのとどっちがいいか社員さんに聞いて決めたらいいでしょう。
身内だけの同族会社なら、年末一本で問題ないかなと。
一方、住民税はどうなのか?
住民税はすでに確定した税金なので、年末調整がありません。
なので、住民税は7月から原則通り引いていくより仕方がないのかなと。
ただ、引ききれない減税額は給付されるとのことなので、まったく引かないで、最後に給付してもらうのもできないことはないでしょう。
このあたり、各市町村からどういった形式の通知書が来るのかにもよります。
従来どおり、定額減税を加味しない通知書で来るのか?
あるいは、定額減額が考慮された通知書が来るのか?
すでに、このあたりの詳細についてのアナウンスが市町村からされているのかもしれません。
(執筆現在、確認できず)
あと、給付もどの時点で、どういったかたちでなされるのかも。
詳細については、このあと、5月以降に送られてくる通知書を見てから判断した方がいいでしょうね。
まとめ
同族会社や小規模事業者であれば、社員さんの了解を得た上で、所得税は年末1本で調整すればいいのかなと。
住民税に関しては、このあと送られてくる通知書を見た上で判断すればいいでしょう。
ただ、住民税の場合、7月から考慮した経理をしないと給付を受けられないのであれば、原則通りやっておいたほうがいいでしょうね。
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