サラリーマンが転勤で自宅を賃貸に出したら、その支出は経費になるのか?ローン控除と経費の要件は抑えておく

仕事を通して体験する

これまで賃貸にしか住んだことがありません。

幼少時、北海道出身の両親は、遠く離れた大阪で家を建てるという発想はなかったのだと思います。

独立した今、自分自身はこの土地でやっていくつもりですが、自分の家を

  • 持つ
  • 持たないに

こだわりはありません。

ただ、これまで持ったことがないので、

  • 作る
  • 維持する
  • 処分する

大変さは実感としてわかりません。

しかし、仕事を通じてその大変さを少しながらも感じることは出来ます。

自宅を賃貸に出したら

まずは住宅ローン控除の適用要件は知っておく

サラリーマンが転勤で、自宅に住まなくなったなら、住宅ローン控除の問題が出てきます。

住宅ローン控除は、原則、本人が住んでいなければ適用を受けることは出来ません。

例外的に、単身赴任なら本人以外の家族が住み続けることによって、適用を受け続けることが出来ます。

単身赴任ではなく、家族みんなで転居してしまうと誰も住んでいないので適用を受けることが出来ません。

しかし、転居先から戻ってきた場合に、控除期間が残っていれば改めて適用を受けることが出来ます。

ただし、転居中の期間も控除期間としてカウントされることに注意が必要です。

賃貸に出すための支出は経費になるのか?

住宅ローンの控除期間も終えて、自宅を賃貸に出そうとすれば、劣化による修繕も必要になります。

また、入居してもらうにはそれなりに見栄えも良くしなければなりません。

  • リフォーム費用
  • 家財道具の処分費用
  • 引っ越し費用
  • 抵当権の解除費用

など、結構な費用が当然かかります。

サラリーマンでも、自宅を賃貸に出せば、不動産賃貸業として、その年以降の申告が必要になります。

では、さきほどの費用が不動産賃貸業として、必要経費に入るのか。

リフォーム費用

リフォーム費用全額は必要経費とはなりません。

しかし、リフォーム費用全額をいったん資産に計上した後に、減価償却費として費用計上する
ことができます。

家財道具の処分費用

家事費に該当し必要経費になりません。

家事費とは、家事関連費とも言い法律では以下のように定められています。

所得税法第45条(家事関連費等の必要経費不算入)

「家事上の経費及びこれに関連する経費で政令で定めるもの。」

家事費はその性質上、「明らかに必要経費となるものは必要経費にする」というものですので、疑わしいものはすべて家事費にみるということです。

そして、家事費及びこれに関連する経費はすべて、費用にはなりません。

引っ越し費用

同じく家事費に該当し必要経費にはなりません。

抵当権の解除費用

同様に家事費に該当し必要経費にはなりません。

そもそも抵当権の解除は、賃貸に供するために必要なものではなく、賃貸以前にでも可能なことです。

では、これが賃貸時ではなく、譲渡時である場合ではどうなのか。

国税不服審判所 平13.6.26裁決では、

たまたま抵当権が設定されている土地の譲渡の際に支出されたものであり、当該譲渡のために直接要した費用とは認められず、所得税法第33条第3項に規定する譲渡費用に該当するものではない。

と判断されています。