フリーランスが人を雇ったら。はじめての給料計算<No 177>

無数にあるフリーソフト

会社であれば、給与計算は組織の経理部が行います。

フリーランスが自分ひとりで仕事をやっているなら、事業所得になるので、そもそも給料は発生しません。

しかし、フリーランスでも人を雇ったら、その方の給料を計算してあげないといけません。

本業に忙しいフリーランスの方だと、
1人や2人の従業員のために時間やお金もかけたくないでしょう。

そんなことから、なんでもネットですましがちになります。

実際、ネットで「給与計算」と検索すると、無数のフリーソフトがヒットします。

また、有料のものもありますが、従業員1人や2人のためにそこそこの金額のソフトを購入するのももったいないです。

どちらにしても、ソフトは便利なのですが、

  • なんとなく出来てしまう

ので、給料計算の仕組みを理解する機会がありません。

そこで、誰でも出来る給与計算の仕組みを説明します。

 

 

一度、基本をおぼえる

給与計算は、社会保険労務士でも目指さない限り、それほど難しい業務ではありません。

会社組織でなく、フリーランスなら基本をおぼえるだけでほとんどのことに対応出来ます。

フリーランスなど小規模な組織なら上記の簡易な給与明細で充分です。

これに当てはめると、

給料総額+通勤手当-健康保険-厚生年金-雇用保険-所得税-住民税

=差引支給額

となります。

基本給やその他の手当は、雇う側で決める必要がありますので、
それ以下の控除額の計算が今回記事のメインになります。

 

社会保険料(健康保険、厚生年金、介護保険)

フリーランスの方が、従業員さんのために加入するのはまれですが、
実際、私のお客様にもいらっしゃいます。

従業員さんのために社会保険に加入すると、
毎月事業主が納める保険料のうち、半分を従業員さんに負担してもらいます。

この従業員負担額は、協会けんぽ(全国健康保険協会)の

保険料額表から算定します。

まずは、従業員の標準報酬(等級)を確認します。 

標準報酬は、給料の基本給部分で、毎月固定で支給されるものです。

毎月支払う保険料は、この標準報酬をベースに計算されます。

手続きを事業主自身がやっていれば、すぐにわかると思いますが、
プロである社会保険労務士に頼んでいればすぐにわからないかもしれません。

その場合は、加入時に提出した「被保険者資格取得届」の控えをみます。

この中の、報酬月額の合計額に記入した数字が、標準報酬となります。

基本給を定めていて、変更がなければその額です。

従業員さんそれぞれの標準報酬がわかれば、
保険料額表でその従業員さんの健康保険と厚生年金を算定します。

健康保険料

 1

標準報酬が150,000円であれば報酬月額146,000円から155,000円の欄を見ます。

健康保険はその従業員さんが40歳未満であれば介護保険の対象になりませんので、
「介護保険第2号被保険者に該当しない場合」の欄で確認します。

標準報酬150,000であれば、折半額の7,552円が給料から天引きする健康保険になります。

全額から折半額を差し引いた残りが、事業主負担となります。

上段の保険料率10.07%を標準報酬に乗じても同じ金額になります。

150,000×10.07%×1/2=7,552円

 

厚生年金

厚生年金も健康保険と同じように見ます。

坑内員は、炭鉱などで働く人です。

船員は、船乗りですので、ほとんどの方が一般になります。

 150,000円であれば、折半額の13,636円を従業員さんの給料から天引きします。

同じく、上段の保険料率を乗じて計算も出来ます。

150,000×18.182%×1/2=13,636円

 

介護保険

介護保険は、健康保険の欄の「介護保険第2号被保険者に該当する場合」
と該当しない場合の差額になるので、差引すれば金額が出ます。

 

 

雇用保険料

平成28年度の雇用保険料率は、一般の事業であれば4/1000(0.4%)です。

給料総額が、150,000円であれば、150,000×0.4%=600円です。

雇用保険は暦年単位で変更されるので、
平成29年4月以降の雇用保険料率は、4月以降に確認します。

 

 

以上の健康保険、厚生年金、介護保険、雇用保険を総称して社会保険と呼んでいます。

 

 

源泉所得税

 給料から天引きする源泉所得税は、国税庁の「源泉徴収税額表」から算定します。

源泉徴収税額表は、開業後に給料支払に関する所定の届出をすれば、
税務署から送られて来ます。

また、年末調整の時期(12月前後)にも送られてきます。

最寄りの税務署にも入口付近に備え付けられています。

ネットであれば、国税庁のホームページでもダウンロードできます。

毎月のお給料から天引きする源泉所得税は、
給料総額(交通費を除いた)から社会保険料(健康保険、厚生年金、

介護保険、雇用保険)を除いた後の金額を元に算定します。

上記の例でみると、

150,000(基本給)-7,552(健保・介保)-13,636(年金)

-600(雇用)=128,212円

これが、源泉所得税算定の元となる金額です。

 ここで、甲欄と乙欄の説明します。

甲欄は、職場で「給与所得者の扶養控除申告書」を提出している方の場合に適用します。

よって、提出していなければ乙欄で算定することになります。

また、二カ所以上から給料をもらっている方の場合は、
主たる職場(メインの職場)に扶養控除申告書を提出するので、

従たる職場(サブ)ではこの乙欄で算定することになります。

前者は、職場に身元をはっきりさせていないので、

高めの税額で天引きします。

後者の場合、源泉徴収税額表の甲欄は一か所給料を想定しています。

よって、二カ所給料には対応していません。

仮に、従たる職場でも甲欄で天引きすると、
確定申告時に二カ所の給料を合算すると最終的な所得税が多くなってしまい、

天引きした所得税では足りなくなってしまいます。

結果、追加で支払うことになります。

これを極力防ぐために、従たる職場では高めの税額を天引きします。

 

その後、給料から社会保険料を差し引いた128,212円を月額表の縦の欄に照らし合わせます。

そして横は、扶養家族の数で合わせます。

扶養家族が1人であれば530円になります。

これを差し引きすると、
128,212-530=127,682円が最終的な手取り支給額となります。

 

賞与の算定方法など、まだまだ細かい論点はありますが、
手で計算したときのざっくりした方法を記事にしてみました。

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