所得税の申告で経費にならないもの5選
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税務署は何も言わない
この時期、所得税の申告に向けて準備されているかたは多いでしょう。
税理士にかかっていれば、その都度チェックが入るでしょうが、かかってなければ悩んだ結果、そのまま申告されることもあるでしょう。
「でも、税務署で受け付けてくれた」って話を聞きますが、税務署は申告書の提出があっても、内容まで一つ一つ見てる暇はありません。
ネットで申告する場合も同じです。
経費でないものを経費に入れていると税金は安くなりますが、適正な申告とは言えません。
なにより、適正でないので、将来的に税務署から連絡が来るリスクがあります。
今日は、経費じゃないのに経費にしている支出についてお伝えします。
所得税の申告で経費にならないもの5選
国民年金と国民健康保険
事業用の経費によく入っているのが、年金と保険料。
会社や事業主が社員のために負担した社会保険料は経費になりますが、事業主自身の年金や健康保険は経費になりません。
事業主の生活上必要な支出であって、売上を得るために必要な支出じゃないからでしょうか。
ただ、事業の経費にはなりませんが、申告書のうえで社会保険料控除の対象となります。
今年一年に支払った年金と健康保険料があれば、申告書できっちり控除しましょう。
住民税
住民税も経費に入っていることがよくある項目です。
住民税は、申告で確定した所得をベースにして算出されます。
なので、所得税の支払いが経費にならないのと同様に住民税も経費とはなりません。
では、控除はできるのかというと、控除もできません。
前述の社会保険や扶養控除は、社会政策的な観点から国が便宜を図ってくれていて、住民税はその対象から外れます。
税に携わる人にとっては当たり前の話なのですが、そうでない人にとっては理解しづらいのかもしれないですね。
クルマ
年末や決算間際になって、「税金出るからクルマを買う」って話しをちらほら聞くことがありますが、クルマを買っても全額が経費になるわけじゃありません。
なぜなら、クルマを買ったら、そのクルマを使うことによる恩恵は、将来にわたって続くから。
ということで、10万円以上(青色申告なら30万以上)の減価償却資産を買ったら、耐用年数(使用可能期間)に応じて減価償却費として経費することができます。
普通の乗用車なら6年、軽自動車なら4年とか。
資産によって耐用年数は異なります。
借入金の返済
借り入れされているかたにとっては、毎月の返済はボディーブローのように資金繰りに影響します。
痛みを感じるからには経費して欲しいところですが、借入金の返済は経費にはなりません。
借入金の返済は、借りたお金(負債)を返したこと。
つまり、過去の負債をゼロにして消滅させただけの取引にあたるので経費にはなりません。
- 借りたとき 借方 預金 / 貸方 借入金 発生
- 返したとき 借方 借入金 / 貸方 預金 消滅
もともと持っているお金を、売上を得るために使ったのであれば、経費になる可能性はありますが、借りたお金を返しただけなので、会計の世界では経費とはならないのです。
となると、税金の計算は決算書の利益を見ていればいいですが、資金繰りは決算書を見ていてもわかりません。
資金繰りをチェックするには資金繰り表やキャッシュフロー表が必要となります。
自分の給料
最後に事業主が自分のためにとった給料、これは経費にはなりません。
これまで給料をもらっていた人が、独立して事業主となったあとも、自分の事業から給料をとりたい気持ちはわからないでもないのですが。
事業主である自分から自分に対して給料を払うことはできません。
勤務時代にもらっていた給料は給与所得であり、独立後の所得は事業所得に変わります。
では、なぜ、自分で使った法人=会社から自分に給料を払えるのか?
法人には「人」の字があるとおり、会計や税務の世界では、個人同様に別の人格を持っているから払えるのです。
- 自分の法人→自分(個人)
個人事業で、自分も給料をとりたいのであれば法人にする方法があります。
法人にしたほうが有利なのかどうか、個別コンサルティングにて承っています。
よろしければお声がけください。
アンテナは張っておく
今日は、所得税の申告で経費にならないもの5つについてお伝えしました。
ご存知のかたからすれば、「あたりまえじゃん」でしょうけれど、独立したての人であれば知らなくても当然でしょう。
知っているか、知らないかだけの問題なので、独立したらアンテナは常に高くしておいたほうがいいでしょう。
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