所得税

You Tubeやネット物販での副業。申告するかしないかは「所得」で決める<No 1385>

yujiroyamamoto

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申告が必要かどうかの基準を知っておく

今年1年、どのような働き方をしていたか。

ひとつの会社で働いていれば、勤務先の年末調整で申告は終わります。

会社以外で副業していると、場合によっては確定申告が必要になります。

人によっては、「大した金額じゃないから何もしない」といったかたもいらっしゃるかと思います。

ただ、本当に申告しなくていいのなら、ちゃんと調べたほうが精神衛生的に健全でいられます。

ということで、今日は、副業を申告する基準と、把握の仕方についてお伝えします。

副業を申告するかしないかは「所得」で決める

「給与」か「雑」か?所得の判定

副業先からいただく収入が、給与所得か雑所得か。

判断に迷うことがあるでしょう。

パートやアルバイトのように副業先と雇用関係があれば、給与所得になります。

副業先と雇用関係はなく、自分に指揮権がある委託関係であれば雑所得になります。

とはいえ、これだけではわかりづらいかと。

以前の記事に詳しく書いているのでご参照いただければ。

青色事業専従者が「副業」を行う場合の注意すべきポイント<No 850>

給与所得で申告する基準

この場合、申告するかどうかの基準は、副業の給料が20万円を超えるかどうかで判断します。

20万円を超えていれば申告が必要ですし、超えていなければ申告する必要はありません。

メインの勤務先で年末調整が済んでいれば、それで申告は完結しています。

ただし、住宅ローン控除の1年目や医療費控除を受けるのであれば確定申告は必要になります。

雑所得で申告する基準

副業で、You Tube配信による広告収入やネット物販による収入がある場合、雑所得としての申告が必要になります。

このとき、基準となる20万円が売上なのか、所得なのか?

給料の場合、収入金額でしたが、雑所得の場合だと、

  • 売上ー仕入・経費=所得

が基準になります。

売上から仕入れや経費を差し引いた金額が20万円を超えていれば申告が必要ですし、超えていなければ必要ありません。

とはいえ、実際に計算してみないと、所得が20万を超えているかどうかわかりません。

年末になって慌てるのではなく、Excelでなり、会計ソフトでなり帳面はつけておいたほうがいいでしょう。

雑所得の計算の仕方

売上

売上は、従来の商売であれば、自分が作成した請求書の数字を集計すればわかります。

ただ、You Tubeの広告料収入やネット物販であれば、Googleや販売サイトから送られてくる詳細を確認することになります。

いずれも銀行振り込みでしょうから、通帳を確認すれば売上の把握はできますが、手数料が引かれていたら、その分の売上を加算しなければなりません。

引かれた手数料は、逆に経費になります。

相手方が、Googleや販売サイトのようなネットに特化した組織でなく、紙のやり取りが多い企業や個人事業者・フリーランスだと、「支払調書」が送られてきます。

この支払調書に記載された金額を集計し売上を把握することができますが、得意先のうち100%が送ってくれるわけではありません。

支払調書は、参考程度にとどめておいたほうがいいでしょう。

仕入や経費

私自身、2021年8月からYou Tube配信をしています。

広告料はまたいただいていませんが、経費にできるとしたら何があるのか挙げてみます。

  • 撮影用のカメラ(FUJIFILM X-S10)118,800円
  • レンズ(フジノン XF 35mm F1.4 R)55,000円
  • 照明 7,835円
  • 照明スタンド 2,200円
  • カメラスタンド 3,880円
  • マイク blew Yeti 10,000円

これら以外にも、

  • 編集用のパソコン
  • 物販サイトの利用料
  • 動画編集ソフト
  • 撮影用スタジオレンタル料

あたりも経費になるでしょう。

ネット物販だと商品の仕入れがありますね。

概ね、副業のために購入し、かつ、副業でしか利用しないものは100%経費に入れても問題ないのかなと。

これら以外、副業専用ではないけれども、副業に利用した支出があれば、その利用頻度に応じて経費にすることができます。

これを家事按分といいます。

支出のたびに、事業用とプライベート用に按分するのが面倒であれば、最後に合計を事業割合で按分しても構いません。

気の利いた会計ソフトだと、この家事按分を自動でやってくれる機能があります。

MFクラウド確定申告で「事業割合」と「家事割合」を自動で按分する<No 576>

源泉所得税が引かれていたら

売上金額から源泉所得税が引かれていたら、申告することで所得税が還付(返ってくる)されるかもしれません。

源泉所得税は、所得税の前払いなので、確定申告ですべての所得を合算したうえで算出された税額から既に天引きされた源泉所得税を差し引くことができます。

年間の税額が、天引きされた源泉所得税よりも低いと、その差額が還付されます。

そのために、支払調書があれば源泉が天引きされていないかチェックする。

なければ、請求した金額と入金額に差額がないかチェックします。

You Tubeの広告料については、日本とアメリカのあいだに租税条約が締結されているので、源泉徴収は免除されることになっています。

とはいえ、上記は確定申告を済ませていることが条件になります。

ネットなら1月4日から申告できる

コロナ以降、副業をはじめられたかたは少なくないでしょう。

勤務生活が長いと確定申告することに戸惑われることも多いかと。

とはいえ、自分でやれないことはありません。

本を1冊読んでいいですし、動画やブログで勉強するのもいいでしょう。

可能であれば申告はネットで済ませましょう。

ネットなら1月4日から受け付けてくれるので。

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