特許事務所の立替金と売上に関する経理について
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特許事務所の立替金と売上に関する経理について
新たに特許事務所を経営する場合、これまで特許実務メインでやられてきたかたが、はじめて経理をすることもあるでしょう。
もらったら売上、払えば経費くらいはわかっていても、経費にならない印紙代など立て替えたお金はどうやって経理するのか?
立替金と売上に関する経理について考えてみました。
どのタイミングで、どの経理?
特許庁へ印紙代を支払った
まず、特許庁へ出願に関する印紙代を支払います。
このときにどういった経理をすればいいのか?
この印紙代は、お客さまに負担してもらうので、経費とはなりません。
あくまでも、立て替えたお金なので、そのまま、「立替金」で処理します。
- 借方 立替金 / 貸方 預金 80,000円
立替金でなくとも、「前払金」や「仮払金」など、経費でなく、資産の科目であれば問題ありません。
お客さまによって、時系列ごとで、「前払金」→「立替金」と科目を変えるケースもあります。
この場合は、特許庁へ印紙代を支払った段階で、
- 借方 前払金 / 貸方 預金 80,000円
としています。
請求書を送った
仕事を終えて、お客さまへ請求書を送った時点で、「前払金」から「立替金」に振り替えます。
- 借方 立替金 / 貸方 前払金 80,000円
ここで、前払金の残高がゼロになります。
前払金がゼロということで、請求書を送付済ということがわかります。
そして、もう一つ、売上の経理も必要です。
- 借方 売掛金 16,500円 / 貸方 売上 16,500円
後日、お客さまから振り込んでもらう金額、80,000円と16,500円の合計である96,500円を売掛金としそうになりますが。
売掛金は、将来もらう金額のうち、売上のみ。
印紙代は、あくまでも立て替えたお金なので、経費にも売上にもなりません。
実際に、売上になるのは、手数料の部分だけになります。
回収したとき
立替金と売掛金を回収して、預金に振り込まれたときの経理はどうなるのか?
- 借方 預金 96,500円 / 貸方 売掛金 16,500円
- 借方 / 貸方 立替金 80,000円
振り込まれるのは、立替金と売掛金の合計額。
この時点で、立替金が消去されゼロになります。
一方、預金の残高は増え、売上も増えます。
補助科目をつくる(補助元帳)
やっておいた方がいいのが、前払金や立替金の補助科目を作ること。
紙の帳面であれば補助元帳、会計ソフトであれば補助科目をつくることで、得意先ごとの「前払金」「立替金」の残高を把握することができます。
すべての得意先がごっちゃになると、残高合計が、どの得意先の残高なのかわかりづらいからです。
補助元帳または補助科目をつくることで、前払金や立替金の請求漏れがないかチェックできます。
決算時に、前払金や立替金がきれいに消えているか?
残っていたら、それが直近の仕事で発生した前払金や立替金であるかどうか確認しましょう。
古い金額が残っていたら、請求し忘れです。
早めに請求して回収しましょう。
定期的にチェックする
特許事務所の立替金と売上に関する経理についてお伝えしました。
実際、売上になるのは、事務所の手数料部分のみなので、いかに立て替えたお金を経費や売上に反映させないでおくかがポイントです。
そのために、立替金や前払金あるいは仮払金など、資産の科目を使うこと。
同時に、これら資産の科目がきちんと消えているか、定期的に確認しましょう。
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