生活福祉資金の特例貸付に係る債務免除を受けた場合、所得税はかかるのか?<No 1380>
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生活福祉資金の特例貸付
コロナの影響で失業や休業を余儀なくされ、生活が困窮したかたに対して、生活資金を貸してくれる制度があります。
厚生労働省の「生活福祉資金の特例貸付」はその一つであり、窓口はお住まいの市町村にある社会福祉協議会です。
こちらの制度は、「貸し付け」なので支援金や給付金とは違って返済しなければなりません。
ただし、一定の方については返済が免除されることがあります。
免除された場合、もらったことと同じになるので、その収入については税金がかかるのか?
そのあたりについて解説します。
債務免除を受けた場合、所得税はかかるのか?
制度の概要
生活福祉資金の特例貸付には、
- 緊急小口資金
- 総合支援資金
の2つがあります。
緊急小口資金は休業された事業者向けの制度であり、コロナの影響による収入の減少があれば、休業でなくても対象になります。
生活福祉資金は失業されたかた向けの制度ですが、同じくコロナの影響であれば失業でなくても対象となります。
貸付上限
- 緊急小口資金・・・10万円以内(コロナの影響がある場合などは20万円以内)
- 総合支援資金・・・月20万円(単身世帯は月15万円)
貸付期間
- 緊急小口資金・・・1回
- 総合支援資金・・・3ヶ月以内
据置期間
- 緊急小口資金・・・1年以内
- 総合支援資金・・・1年以内
据置期間は、貸付金を返済するまでの猶予される期間。
最長1年後まで返済を待ってもらうことができます。
償還期限
- 緊急小口資金・・・2年以内
- 総合支援資金・・・10年以内
それぞれの期間に応じて分割で返済することができます。
貸付利子・保証人
無利子・不要
申し込み
こちらの制度、ネットからの申込みは対応していません。
お住まいにある社会福祉協議会の窓口にて申し込みことができます。
また、感染予防対策として、窓口へ直接伺うよりも、郵送での申し込みを推奨していますので、
1度、最寄りの社会福祉協議会に電話をかけて確認をとったほうがいいでしょう。
申込書は、厚生労働省のHPからダウンロードできます。
返済が免除されるかた
住民税がかかっていない、非課税世帯のかたは貸付金の返済が免除されます。
- 緊急小口資金・・・令和3年度または令和4年度のいずれかが住民税非課税
- 総合支援資金・・・同上(延長分は令和5年度、再貸付分は令和6年度が住民税非課税)
返済が免除された場合の税金について
借りたお金を返さなくて良いとなると、実質的にもらったことと同じです。
法律用語で経済的利益といい、収入と同じ取り扱いになります。
収入になると税金(所得税)がかかりますが、先日12月10日に発表された令和4年度税制改正大綱にてその取り扱いが記載されています。
生活福祉資金貸付制度における緊急小口資金の特例貸付事業及び総合支援資金の特例貸付事業による金銭の貸付けにつき当該貸付けに係る債務の免除を受ける場合には、当該免除により受ける経済的な利益の価額については、所得税を課さないこととする。
)令和4年度税制改正大綱から一部抜粋
最後に、「所得税を課さない」と書かれていますので、税金はかかりません。
申告も必要ありません。
事業者のかたなら、収入への計上は不要です。
令和4年3月末まで延長(初回分)
事業をやっているかたであれば、持続化給付金、月次支援金あたりまではキャッチアップできているでしょうが。
貸し付け制度の情報までは追いついていないかたもいらっしゃるのかと思い記事にしてみました。
それぞれの期限は、令和4年3月末までになっているので、該当しそうなかたは一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。
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