専従者がいる場合の個人住民税の節税対策<No 1121>

 

住民税対策は自分でやる

所得税の申告に馴染みはあっても、住民税の申告は馴染みのない方が多いのではないでしょうか。

税務署(国)で申告すれば、申告した内容がそのまま自分の住んでいる市町村に回ります。

その後、市町村がその内容を元に住民税を計算して納付書が自宅に届くという仕組みです。

勤めていれば、更に会社が給与天引きで支払いまでしてくれるので、自分で支払うことはありません。

住民税は、その実態を知る機会が少ない税金です。

独立したら、住民税の情報は自分で取りに行きましょう。

専従者がいる場合の住民税の節税対策

個人の住民税は独立すると、年4回に分けて支払います。

給料から毎月天引きされているとそれほどの痛みを感じませんが、独立すると1回あたりの金額がボディーブローのようい効いてきます。

個人住民税の構成

個人住民税は、均等割と呼ばれる定額の部分と、所得に応じて増減する所得割で構成されています

均等割額+所得割額=個人住民税の額

均等割

均等割は大阪市の場合だと

市民税3,500円+府民税1,800円=5,300円

※ 2020年1月1日現在

所得割

所得割は次の算式で計算します。

(所得金額−所得控除)✕10%

このあといくつかの調整金額がありますが、ここでは割愛します。

所得税と住民税で若干数字がズレますが、所得税申告書第一表の右上にある「課税される所得金額」に10%を乗じた金額がその年の住民税に近い数字になるので目安にしていただければ。

ここだと、3,120,000✕10%で32万円前後でしょうか。

所得割がかからない人

前年の総所得金額が、次の額以下の人

1 同一生計配偶者または扶養家族がいる場合

35万円✕(本人+同一生計配偶者+扶養家族)の人数+32万円

(例)専業主婦と子が2名の場合

35万円✕(1+1+2)+32万円=172万円

2 同一生計配偶者も扶養家族もいない場合

35万円(給料の場合、年100万円以下)

ここでいう総所得金額とは、下のオレンジで囲った金額です。
(厳密には多少の調整はあります)

上の例でいえば、ここの金額が172万円以下であれば所得割がかからないことになります。

所得税と住民税の節税対策

事業をやっていて、かつ事業を手伝ってくれるご家族がいれば、多少なりとも家族内で節税対策ができます。

独立当初、税額が出るまでのあいだは配偶者控除でいいでしょう。

ただ、青色の届けと共に将来のことを考えて青色事業専従者給与に関する届出も提出しておきましょう。

そして、所得税が出だしたら、専従者給与をとって経費にします。
(専従者給与と配偶者控除の併用はできません)

  1. 事業主にとっては経費
  2. 配偶者にとっては給与所得

所得を分散させることにより、低い税率や制度の恩恵を受けるというのが節税対策の基本です。

事業主ひとりの所得が増えていくと、税率が右肩上がりで増えるので、その税率を下げる意味合いがあります。
(家内労働の実態があることを前提にしているので、実態がないと給料はとれません)

ただ、

  1. 所得税は右肩上がり
  2. 住民税は一律10%

なので、所得税の節税効果はあっても住民税の節税効果はないように感じますが、
前述の所得割がかからない総所得金額の限度は事業主と配偶者である専従者では異なります。

事業主に専従者がいる場合の所得割の節税対策

事業主に専従者である配偶者と扶養家族が2名がいる場合、1の算式に当てはめます。

1 同一生計配偶者または扶養家族がいる場合

35万円✕(本人+同一生計配偶者+扶養家族)の人数+32万円

専従者は同一生計配偶者に該当しませんので、カッコ内の人数は本人1+扶養家族2の合計3名となります。

35万円✕(1+2)+32万円=137万円以下に総所得金額がなれば所得割はかかりません。

 

一方、専従者の所得割がかからない限度額はいくらになるのか。

事業主の方で、扶養家族を入れたので専従者では扶養家族をカウントすることはできません。

故に、「なし」のところで判定し35万円(給料100万円)が限度額となります。

ここで、どちらに所得を配分した方が有利(節税)になるのか。

専従者に住民税の所得割をかけたくないために、専従者給料を100万円以下に抑えると専従者に所得割がかからなくなりますが、逆に事業主に所得割がかかってしまうことになります。

世帯の総所得金額が200万円超えたあたりになると、そもそもこちらの非課税には該当しなくなりますが。

独立してから間もない方は、専従者給与をとって事業主の総所得金額を抑えると所得割がかからないことがあります。

最後にもう一度、家内労働の実態がないと給料はとれません。

<編集後記>
昨日の月曜日
5時58分起床後ルーティン
午前中、紙の社会保険関係書類をすべてEvernoteとOneDriveへ移行し廃棄。
自社の決算から申告まで
午後、自社の税金をネット払い、ブログ更新