クラウド会計ソフトの登場により、クライアントの選択肢は広がりつつある<No 125>
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意外に少ない会計ソフト利用率
これまでの勤務時代、お客様の会計ソフト利用率は、1割にも満たないです。
理由の多くは、
- 税理士又は職員がお客様に勧めない
- お客様が、手間がかかることを好まない
- 職員が「入力」することが日常化している
- お客様が、変化を好まない
私もこれまでお客様にはあえて勧めていませんでした。
それは、簿記の基本に慣れてもらうためでした。
実際に、振替伝票をきってもらうことにより、簿記を理解してもらうことができました。
(と、思っていました)
しかし、簿記に慣れてもらってから会計ソフトを勧めても、導入してもらうことは難しいです。
なぜなら、人間一度慣れたことを変更することは、負担に感じるからです。
一方、会計ソフトを利用することが簿記を理解していないかと言ったら、そうとも限りません。
このブログのテーマの一つは「効率的」であり、「効果的」であることです。
効率的であるのは、言うまでもなく「会計ソフト」でしょう。
しかし、「効果的」であるかはどうかは、使う人によって異なります。
会計ソフトが得意な方には、「効果的」でありますが、
会計ソフトの前にパソコンすら苦手な方にとっては、そうとも限りません。
そんな中、ここ数年で「クラウド会計ソフト」なるものが広く認知されてきました。
クラウド会計ソフトの登場により、一般ユーザーのみならず、税理士業界も変わりつつあります。
会計ソフトもいろいろ。自分に合ったものを選ぼう
一般ユーザー向けの会計ソフトは、いくつかの種類に分かれます。
1、市販の一般ユーザー向け会計ソフト
昔ながらのパッケージのCD-ROMを購入して、パソコンにインストールするソフトです。
- 弥生会計(クラウドサービスも始まりました)
がその代表格です。
私が勤務していた事務所では、お客様が独自に購入して、取引を入力しプリントアウトした資料をいただきました。
結局、お客様と税理士事務所の職員が、入力することによって二度手間でした。
今から思えば、改善すべき点は多かったです。
- お客様に税理士事務所対応のソフトに移行してもらう
- 事務所にてお客様と同じソフトをインストールして、お客様からデータをお預かりする
これが出来れば、データを読み込むだけでよく、何十時間もの入力業務が省略できます。
そして、修正後のデータをお客様にフィードバックすることにより、お客様の負担も緩和されます。
税理士事務所向け大手メーカーJDL、MJSが提供する会計ソフト
元々、税理士事務所向けの専用ソフトを開発していたメーカーが、一般ユーザー用に開発したものです。
- JDL IBEX シリーズ(JDL)
- MJS かんたん!シリーズ(ミロク情報サービス)
これまでは、市販の一般ユーザー向けの会計ソフト同様にCD-ROMでインストールするものでしたが、最近は、ネットから加入し利用が出来るようになりました。
これらのメーカーは一般ユーザーへの直販と、税理士事務所を通じての販路開拓をしています。
顧問税理士と同じメーカーのものを導入すれば、顧問税理士はお客様が入力したデータを常時把握することが出来ます。
「クラウド会計ソフト」の代表格、freee(フリー)とMF(マネーフォワード)
クラウド会計ソフトの良い点は、ネット環境があればどこでも使えることです。
また、データはクラウド上で保管されるために、PCの負担にもなりません。
よって、データを失うこともありません。
そして画期的な機能は、ネットバンクから預金データを吸い上げることができることです。
最初から完璧にとはいかないまでも、その都度修正することにより、より正確な預金帳を完成させることができます。
MF(マネーフォワード)
法人向けのサービスはベーシックプランだと月額2,980円で、全ての機能を無制限に利用することが出来ます。
freee(フリー)
言わずと知れた「クラウド会計ソフト」ナンバーワンのfreeeです。
こちらは、月額3,980円のビジネスプランだと全ての機能を無制限に利用することができます。
税理士事務所向けメーカーA-SaaSが提供する「クラウド会計ソフト」
大手JDLから独立して作られたのが、クラウド会計ソフトの「エーサース」です。
freee(フリー)やMF(マネーフォワード)と異なるのは、税理士事務所向けのクラウド会計ソフトでありながらも一般ユーザーも利用することができることです。
メリット
- 税理士とお客様が相互に利用することが出来ます
- データのやり取りが不要です
- 税理士事務所は、月額19,800円~加入することができます
- 税理士事務所を通じて加入することにより、一般ユーザーは無料で利用することができます
- まだ、これからの若い企業なので、色んな意味で融通が利く
デメリット
- PCにデータが蓄積されないため、ネット環境により止まることがあります
- 会計、税務すべてが一つにパッケージされているために、同時に複数を起動できない
お客様が自分にあったソフトを選ぶためにも、税理士には幅広い知識が求められる
昔ながらの税理士事務所の中には、事務所指定のソフトの導入をお客様にお願いすることもあります。
お客様が慣れない、好みでないソフトを続けることによって、経理が負担になることも考えられます。
そうならないためにも、今後はお客様があえてソフトを指定して、そのソフトを導入している税理士を探すこともあるでしょう。
クラウド会計ソフトという選択肢が増えた今、これからの税理士には、本業だけでなくソフトの研究によってより良い情報をお客様に届けることが求められます。
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