今の時代、昔と比べると独立しやすくなりました。

コロナやペーパーレス化、オンラインといったことが要因としてあるのでしょう。

独立したら、個人事業主として活動するのか、あるいは法人を設立するのか？

個人事業主から始めるのが一般的ですが、ある程度の売上や利益が見込めるようになると、節税対策の一環として法人化を検討する方もいらっしゃいます。

その場合、自分で法人をつくることもできますが、専門家に依頼するのが一般的です。

法人の設立を専門的に扱うのは、司法書士と行政書士です。

この2つの専門家の違いについて、どちらに依頼すべきか迷う方もいるでしょう。

今日は、そのあたりについて解説します。

登記ができるのが司法書士

 会社をつくる場合、大きく分けて2つの手続きが必要です。

1つ目は定款の認証、そして2つ目が登記です。

定款の認証とは、会社の規則を記載した書類を作成し、公証役場で認証を受ける手続きです。

この手続きは、行政書士と司法書士のどちらでも行うことができます。

次に、登記は法務局で行う手続きです。

この手続きができるのは司法書士のみ、行政書士は行うことができません。

そのため、行政書士に会社設立を依頼した場合、定款の認証は行政書士が代行できても、法務局への登記は別途司法書士に依頼する必要があります。

この場合、行政書士への手数料に加え、司法書士への手数料が別途発生することになります。

手数料の総額が司法書士1人に依頼する額と同じくらいであれば問題ありませんが、多くの場合、行政書士経由だと費用が割高になる傾向があります。

株式会社だといくらかかる？

実際に会社を設立するには、どのくらいの費用がかかるか？

普通法人だと、多くは株式会社か合同会社のいずれかです（有限会社は廃止されました）。

株式会社を設立する場合、登録免許税だけで最低15万円かかります。

司法書士に依頼した場合、これに公証役場の公証人への手数料、司法書士本人への手数料を含めて、合計30万円から40万円はかかります。

これが行政書士経由となると、50万円になることもあります。

同じ司法書士でも幅があるのは、オプションが最初から含まれているのかどうか。

• 印鑑作成
• 印鑑届出書
• 印鑑カード作成
• 設立したあとの謄本発行

こういったオプションが最初から含まれていたら40万近くになり、含まれていなければ30万円前半になる傾向があります。

オプションに該当することは、自分でやれそうならオプションなしで、面倒ならオプションありの司法書士さんへお願いすればよろしいかと。

自分で作ることはできる？

 専門家に依頼する際の手数料は、司法書士や行政書士で、それぞれ5万円から10万円程度です。

この手数料を節約したいのであれば、自分で手続きを行うことも可能です。

その場合、株式会社なら合計費用は25万円程度、30万円以下でつくれます。

自分で設立手続きを行う場合は、現在、freeeやマネーフォワードといったクラウド会計サービスが会社設立のサービスを提供しているので、それらを利用すると良いでしょう。

ただし、自分やるとなると、手間と時間がかかります。

かかる費用と手間を天秤にかけて、どちらが良いか検討してみるのがいいでしょう。

ちなみに、私は自分の会社を設立した時、Freeeを使って自分でつくりました。

公証役場へ定款の認証に行った際、公証人（引退した弁護士や裁判官）に「あなた、司法書士の〇〇さんじゃないの？」と尋ねられ、「あなたのように自分で来た人はいないよ」と驚かれました。

10年近く前のことなので現状はわかりませんが、自分で会社をつくる人はそれほど多くないようです。

会社設立を司法書士と行政書士のどちらに依頼すべきか、かかる費用、そして自分で設立できるのかについてお伝えしました。

費用を抑えたいなら自分でつくる。

独立直後から仕事が繁盛しているならプロである司法書士に依頼するのが良いでしょう。

独立・開業コンサルタント

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