インボイス申請後、消費税で「提出すべき届出書」と「提出したらいけない届出書」

yujiroyamamoto

Contents

独立初年度の消費税は注意

2023年の10月からスタートしたインボイス制度、もうすぐ一年になります。

個人であれば、申告は今年3月に経験済みでしょうし、法人でも多くのかたがお済みのことでしょう。

一年目で課題が出たら、改善しながら次へ進めばいいわけです。

一方、2024年に独立されたかたであれば、申告はおろか経理もピンときていないことも多いかと。

まずは、インボイス申請をするかどうかの判断がありますし、その後の経理や申告時の

  • 原則課税
  • 簡易課税
  • 2割特例

の判断も必要になってきます。

今年独立されたかたに向けて、そのあたりの注意すべきことをお伝えしていきます。

インボイス申請後、消費税で「提出すべき届出書」と「提出したらいけない届出書」

インボイスの届出を申請するかどうかは、これまで書いてきました。

免税事業者がインボイス登録で簡易課税を選ぶときの有利不利判定<令和5年度税制改正大綱対応>

課税事業者のためのインボイスまとめ記事

インボイス2割特例が使えても、経費にかかる消費税は把握しておく

その上で、インボイスの届出申請をしたら、消費税の課税事業者届出書は出さなくても問題ありません。

1 消費税課税事業者届出書は出さなくていい

インボイスの届出申請によりインボイス発行事業者となる方は、申請書の提出と同時に消費税課税事業者になります。

そのため、消費税課税事業者届出書は出す必要はありません。

もちろん、従来どおり、出しても構いませんが、手間になるので出さなくていいでしょう。

2 消費税課税事業者「選択」届出書は出さない

2つ目、課税事業者届出書とは別に、消費税課税事業者「選択」届出書というものがあります。

こちらは、インボイス以前からある届出書で、売上1000万円未満で消費税がかからない人が、初年度に還付申告を受けるために、あえて消費税の課税事業者になることを選択するときに提出する届出書です。

同じく、これも、インボイスの登録申請をしていれば提出する必要はありません。

提出せずとも、還付申告を受けることはできます。

注意すべき点は、こちらの選択届出書を提出すると、1年目だけでなく2年目も消費税課税事業者となる2年縛りがあること。

携帯電話のような「2年縛り」のようなものです。

2年目は免税事業者に戻れません。

さらに、選択届出書を提出した年から2年間のあいだに、税抜き100万円以上の資産(仕入にかかる棚卸資産は除きます)を買って、納める消費税を安くしていたら、2年でなく3年縛りとなります。

しかし、インボイス申請して、ずっと消費税を払うことを決めたのであれば関係ないので、考えることではありません。

3 簡易課税の届出は慎重に

最後に、簡易課税の届け出をするかどうか?

簡易課税は、売上にかかる消費税はそのままで、仕入や経費にかかる支払った消費税は、業種によって異なる「みなし支持率」を使って計算します。

自分の事業が何種に該当するのか、このみなし仕入れ率を使って納めるほうが安く済むのであれば簡易課税を適用したらいいのですが。

先ほどのように、初年度に還付申告を受けるのであれば、簡易課税の届出はやめておくという考え方もあります。

また、簡易課税をいったん適用されると、これまた2年縛りがあるので注意が必要です。

なにかしら、普通と違って得なことをしようすれば、その抜け穴は埋められています。

スポットでも税理士に聞く

インボイスの登録申請に関連する届出書を提出するかどうか、また、提出したときの影響についてお伝えしました。

消費税関連の届け出については、スポットでもいいので税理士に聞いておいたほうがいいでしょう。

無料の相談もありますが、時間が限られていますし、その場で100%の答えをいただけるとは限りません。

インボイスの申請をするかどうか、また、その他の届出書を提出するかどうか、税額試算も含めて承っておりますので、よろしければご利用ください。

<メルマガ「社長の仕事術」>
毎週月・木曜の正午に配信。
法人・個人問いません。独立されているかた向け。
駅のホームで電車を待ちながら読めるくらいの内容です。
メルマガに対する質問や疑問にも応えます。
こちらから

<You Tubeチャンネル「独立・開業コンサルタント 税理士 ユウジロウ」>
You Tubeで動画配信しています。
よろしければ、チャンネル登録お願いいたします。
こちらから

<単発・スポット>

ABOUT ME
独立・開業コンサルタント
記事URLをコピーしました