住宅ローン減税が4年延長。改正内容と注意すべきポイント(令和4年度税制改正対応)<No 1379>
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総じて小粒な印象
2021年12月10日、先週の金曜日に令和4年度税制改正大綱が発表されました。
予想されていた暦年贈与の廃止や金融所得に対する税率改正は見送られています。
パンチがある改正は目ぼしく、総じて小粒な印象です。
企業向けの改正が多く、個人のかた、かつ多くのかたに関係するものだと、
- 住宅資金贈与の非課税
- 住宅ローン減税
あたりでしょうか。
住宅資金贈与の非課税については前回記事にしていますので、
住宅資金贈与の非課税が2年延長。枠は最大1,000万に縮小か?令和4年度税制改正対応<No 1377>
今日は、住宅ローン減税について、改正内容と注意すべきポイントをお伝えします。
住宅ローン減税の改正内容
従来の住宅ローン減税は2021年12月末が期限でした。
今回の改正で2025年の年末まで4年延長されています。
控除率
1%→0.7%
これまで、年末ローン残高と取得価額のいずれか低い価額の1%が限度額でした。
今回の改正で、乗じる割合が0.7%に縮小されています。
縮小されたから庶民にとって増税かというと一概にそうとも言えず。
仮に、4,000万の自宅に対して、3,000万の年末ローン残高がある場合、
- 3,000万円✕1%=30万円
がこれまでの限度額でしたが。
おおよその所得で400万以上、給料だと550万以上もらっていないと満額30万円まで控除できる所得税が給料や報酬から引かれていません。
3,000万円のローンを組むことがあっても、年収550万円以上の人がどれだけいるのか。
改正では、一度に受けられる控除の額を少なくして、その分長く受けられるようになりました。
控除率を下げた理由として、低金利で控除額が実際に支払う金利を上回ることも挙げられています。
控除期間
10年→13年(ただし、中古は10年)
税額控除が受けられる期間が10年から13年に延長されました。
中古に限っては10年で、これまで通りです。
延長された理由は、前述の通り、年間の限度額まで引ききれない方が、長く控除を受けられるようにするため。
控除額全体としては、以前に近づけるようなカタチをとっています。
対象となるかた
住宅ローン減税の対象となる方は、
- 所得3,000万円以下→2,000万円以下
に減っています。
所得2,000万でも十分、高所得の部類に入るのでしょうが。
控除率 ✕ 期間
控除率の縮小と期間の延長によってどうなったのか。
- 1%✕10年=10%
- 0.7%✕13年=9.1%
と、全体としてはやや縮小となりました。
限度額
限度額は住宅性能によって異なります。
新築で2022年から23年入居だと、
- 長期優良住宅(認定住宅)・・・5,000万(4,500万)
- ゼロ・エネルギー・ハウス・・・4,500万(3,500万)
- 省エネ基準適合住宅・・・4,000万(3,000万)
- その他・・・3,000万(2,000)
[aside type=”normal”] カッコ書きは2024年から25年入居の場合 [/aside]
より環境にやさしい住宅ほど、限度額が高く。
中古だと、
- 上記認定住宅(1から3まで)に該当すれば3,000万(該当しないと2,000万)
となっています。
注意すべきポイント
仮に、控除の限度額が30万円でも、年間30万円の所得税が給料や報酬から天引きされていなければ、満額戻ってくるわけではありません。
住宅ローン控除の還付額は、あくまでもその年、既に払った所得税のなかからしか返ってこないので。
給料とりの方だと、税金は払うものというよりも、年末に還付金で返ってるイメージの方が強いでしょうから。
- 毎月キチンと天引きされていない
- 扶養家族(年少扶養は除く)が多く、天引き額が少ない
などであれば、限度額満額まで控除されないことはあり得ます。
住宅購入時に、販売業者が、
住宅ローン控除を受ければ、毎月の返済額が賃貸よりも安くなる
といった広告やセールストークはよくあります。
セールスマンもそのあたり、よくわかっていない人も多いですし。
このあたりを真に受けてしまうと、賃貸の時代に比べて、毎月返済額の負担感は増すでしょう。
住宅ローン控除は、住宅を買ったあとのおまけぐらいに考えておいたほうがいいかなと。
家を買うと、毎月の返済額に加えて固定資産税と、マンションなら修繕積立金もありますし。
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