現金残高が赤字になる理由と、赤字にしないメリット

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現金の赤字には理由がある
税理士をつけていないお客さまの帳簿を見ていると、現金残高が赤字になっていることがよくあります。
通常、財布の中のお金は、使えば減っていきます。
すべて使ってしまえばゼロになりますが、そこからマイナスになることはありません。
では、なぜ、帳簿だと赤字になるのか?
現金残高がマイナスになることにはいくつかの理由があります。
今回はその理由と、赤字にしないメリットについてお伝えします。
現金残高が赤字になる理由と、赤字にしないメリット
赤字になる理由
現金残高が赤字になる理由として、次の2点が挙げられます。
プライベートの支出を経費にしている
売上で得たお金の中から、仕入れや経費に充てていれば、現金残高がマイナスになることはありません。
しかし、本来経費にはならない、プライベートの支出を事業の経費として計上しているケースがあります。
事業以外、つまりプライベートの支出を経費として計上すると、本来、事業でつかったお金以上の支出をすることになるため、現金残高が赤字になってしまいます。
事業資金が足りていない
プライベートの支出を経費に入れていなくても、現金残高が赤字になることがあります。
これは、事業資金が不足しているケースです。
事業資金が足りないため、事業用の資金だけでやりくりできず、プライベートのお金を使っているのです。
本来であれば、プライベートのお金を事業に使う際には、事業主が事業用現金に借入金や事業主借(店主借)として資金を移す取引が必要です。
この手続きを怠ると、事業用現金にお金が入ってこないまま支出だけが増え、結果的に現金残高が赤字になってしまいます。
この状態でも確定申告は可能ですが、放置しておくといくつかの問題が生じます。
逆に、現金残高を赤字にしないように改善すれば、メリットがあります。
赤字にしないメリット
現金残高を赤字にしないメリットは以下の通り。
税務調査時のリスクを減らせる
現金残高が赤字だと、帳簿に何かしらの不備があると税務署は判断します。
「こりゃ、適当に帳面つけてるな」と。
税務署はプライベートな経費が含まれていないかを確認するため、こうなると、通常よりも時間をかけて厳しくチェックするでしょう。
現金残高が黒字であれば、変な先入観を持たれることはありません。
事業が儲かっているか把握できる
プライベートの支出を経費に含めている場合、事業が本当に儲かっているのかどうかが分かりません。
税金を安くできるかもしれませんが、利益体質の事業なのかどうかが見えなくなってしまいます。
その結果、必要でないものを購入し、無駄な支出を増やしてしまいます。
適正な計算をして、適切な税金を支払った方が、結果的に手元にお金が残ります。
改善すべき点が見えてくる
プライベートの支出が含まれていると、事業の実態が分からず、どこを改善すべきか判断できません。
事業に関わる経費だけを正確に計上した上で赤字になるのであれば、売上の価格設定や仕入れ、経費など、どこに問題があるのかを分析できます。
- 粗利率は適正か?
- 労働分配率は多すぎないか?
また、過去の数字と比較することで、事業がどのように動いているのかを分析し、より良い方向へ改善していくことができます。
現金残高が赤字になっている帳簿は、経理がしっかり管理できていないこと、そして事業主自身が自社の決算書を読み解けていないことが多いです。
ここから脱却し、より利益体質の事業に育てていくためには、まず現金残高を黒字にすることが大事でしょう。
まとめ
今回は、現金残高が赤字になる理由と、それを改善するメリットについてお話ししました。
税理士に依頼していないお客さまの帳簿を見ると、現金残高が赤字になっているケースがよく見受けられます。
こうした点を改善しなければならないと言ってくれるのは、税理士の他に誰もいません。
耳の痛い話に感じるかもしれませんが、税理士は事業を改善し、利益を出し、お金が残る体質にする手伝いをしたいと考えています。
あなたの事業を気にかけてくれているのだと思っていただけたら幸いです。
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