住宅取得のための贈与を受けたら。「住宅取得等資金の贈与税の非課税」と「精算課税」のどっちがお得?<No 186>
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暦年贈与
贈与を受けたら、そのもらった人には贈与税がかかります。
年間110万円以上の贈与受けると、その超えた部分についてかかってきます。
これが暦年贈与といわれるものです。
贈与税は、もらった金額が増えるほど税率があがる仕組みです。
仮に親から子に年間120万円の贈与をした場合、
)国税庁HP
120万円×10%=12万円
の贈与税がかかります。
倍の1,200万円であれば、1,200万円×40%-190万円=290万円となります。
あげたお金は10倍でも、かかる税金は20倍を超えます。
贈与税は、「超過累進税率」といい右肩上がりに税率があがる税金です。
「住宅取得等資金の贈与税の非課税」か「精算課税」か
贈与税のかからない範囲でこつこつと贈与を始める方もおられますが、ご子息の住宅資金の贈与となると、それでは追いつきません。
まとまった資金が必要になります。
国は親から子世代への資金の移転を活性化させるために色々な特典を設けています。
[aside type=”normal”] 2021年12月10日 令和4年度税制改正大綱が発表されましたので補足します。
なお、新しい基準が適用されるのは、2022年1月1日からになります。[/aside]
直系尊属からの住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
わかりにくいネーミングです。
要は、おじいちゃんおばあちゃんや両親からの贈与を受けやすくするために、「家を買うためのお金なら、通常よりも税金をかからないようにしてあげるよ」という制度です。
直系尊属とは、家系図でいう自分より上の世代です。
昨年28年中の契約であれば、
- 省エネ等住宅なら 1,200万円
- 1以外なら 700万円
(*省エネ等住宅とは)
まで税金がかかりません。
イ、ロで非課税の枠が大きく変わる理由は、消費税が増税になった後でも「買い控え」にならないように国が10%での購入を有利に設定しています。
ただ、余裕のある親世代であれば、700万や1,200万以上の贈与もあり得る話です。
その場合は、700万や1,200万を超える部分について、贈与税がかかります。
そんな「700万や1,200万ぐらいじゃ足りない」という方のために、「相続時精算課税」が設けられています。
[aside type=”normal”] 改正にて、
- 耐震、省エネ又はバリアフリーの住宅用家屋 1,000万円
- 上記以外だと 500万円
に縮小されました。[/aside]
相続時精算課税の選択をした場合
相続時精算課税は60歳以上のおじいちゃんおばあちゃんや両親から、20歳以上の子や孫が財産をもらった場合、2,500万円まで税金がかからない制度です。
通常、あげる側が60歳以上でなければならないところ、住宅取得のためのお金の贈与であれば、60歳未満でもこの制度の適用があります。
更に、上記の「住宅取得等資金の贈与税の非課税」との併用も認められています。
つまり、仮に親世代から4,000万の贈与を受けたら、
)国税庁HP
4,000万-(700万+2,500万)=800万
となり、700万(住宅贈与の非課税)と2,500万(精算課税)の両方を同時に受けることが出来ます。
つまり、800万部分にだけ税金がかかる仕組みです。
ただし、精算課税を利用した2,500万は将来の相続財産に含まれることになります。
適用要件の多い贈与や譲渡は早めに準備する
事業や給与、年金など通常の申告ならそれほど問題ありませんが、贈与や譲渡の特例は、適用要件が多いために注意が必要です。
また、税務署の相談会場もなくなり、税務署で相談するには事前予約が必要になりました。
先日、税務署へ贈与案件の確認にいくと、かなりの方が待っておられました。
気になる方は早めに準備しましょう。
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