専従者って副業していいの?
青色事業専従者は副業をやっても良いのか?
専従者というからには、その事業に専念している人なので、
副業をしたらいけないっぽく感じます。
その辺がわからなくて困っている方も多いでしょう。
実際、個別相談でもよく聞かれることなので、
専従者が副業をする時のポイントについてお伝えします。
青色事業専従者が「副業」を行う場合の注意すべきポイント
青色事業専従者が副業を行う場合、税金絡みで抑えておくべき点として、
専従者の副業はOK?
副業が何の「所得」に当たるのか?
それぞれの所得の特徴
確定申告は必要か?
があります。
専従者の副業はOK?
青色事業専従者というからには、その業務に専念していることがその字面から理解できます。
ただ、本業に差し支えない程度であれば、副業による収入があっても構いません。
例えば、午前中は専従者として両親が営む農業に従事し、
午後からはネット売買による副業を行うといったことも可能です。
他に職業がある人、ただし、その職業に従事する期間が短いなどの関係で事業に専ら従事することが妨げられないと認められる場合には、たとえ他に職業があっても専従期間に含まれます。
)所得税法施行令165②
このように、本業に差し支えることがないのであれば問題ないでしょう
副業が何の「所得」に当たるのか?
副業が何の所得に当たるのかは、いただく対価が給料であるのか報酬であるのかをきちんと理解しておきます。
まず、発注元から仕事を受ける場合、発注元との間に「雇用関係」があるのか「委託関係」があるのかを確認しておきます。
発注元がフリーランスや小さな組織であれば、発注元自体が理解していない場合があるので、そのときは、発注元があなたへの支払いを「給料」としているのか、「外注費」としているのかを聞いてみます。
前者であれば「給与所得」であり、後者であれば「事業所得または雑所得」となります。
給与所得の場合、毎月給与明細をいただき、年末調整した後に源泉徴収票をいただくので、この両者が揃っていれば「給与所得」で問題ありません。
揃っていなければ、事業所得または雑所得と判断した方がいいでしょう。
事業か雑か?
いただく対価が給料でない場合は、「事業所得」か「雑所得」に該当します。
両者の判断基準は、年間を通じてその副業が、
- 反復
- 継続
- 独立
して営まれているかどうか。
該当するなら「事業所得」。そうでないならば「雑所得」となります。
では「反復・継続」とはどういうことか?
簡単に言えば、
年間を通じて売上はあるか?
繰り返し同じ取引をしているか?
事業としての体(てい)をなしているか?
といった感じです。
また、発注元との間にその組織の一員としての側面がある場合は、「独立」しているとは言えません。
あくまでも、イチ事業者として独立した立場を取れているかどうかが基準になります。
それぞれの所得の特徴
まず給与所得は、発注元との雇用関係があるので、給与計算は発注元がやってくれます。
また、年末調整を発注元がしてくれますので、源泉徴収票は忘れずにいただきましょう。
(確定申告時に必要になります)
雑所得は、事業所得に比べて特典が少なく、副業の赤字が出ても給料と損益通算することができません。
ただ、きっちりした経理を求められていないので、決算書は付けずに確定申告書に収入と必要経費の総額を記入するだけです。
もちろん、自分が後々理解できるよう「売上」や「必要経費」を項目別に決算書や帳面に記入し、
把握しておいた方が良いでしょう。
事業所得は、赤字が出たら給料と損益通算することが可能です。
その他、青色申告の特別控除(青色申告)や専従者給与の特典があるので、雑所得に比べて節税対策がしやすくなります。
ただし、決算書を申告書に添付しないといけないので、それなりの経理が必要になってきます。
確定申告は必要か?
副業が給与所得の場合でも、青色事業専従者給与があり2箇所給与となるので、確定申告が必要になります。
雑所得の場合、青色事業専従者給与(給与所得)と合算して、確定申告書を提出します。
事業所得の場合も、青色事業専従者給与(給与所得)と合算して、確定申告書を提出します。
決算書は青色ならば「青色決算書」、白色ならば「収支内訳書」と名称が変わるので注意しましょう。
結論
① 副業が軌道に乗るまでの間は雑所得で申告します。
② そして、「反復」「継続」「独立」し始めたら事業所得で申告する。
これらの条件が揃っていなくても、年間売上が100万円を越えたあたりから事業所得(白)にしておいた方が良いでしょう。
③ 最後に、副業だけで食べていけそうになったら事業専従者給与を止めて、事業所得(青)だけにします。
三段階のうち、①の「雑+給与」と③の「事業(青)のみ」はそれほど問題はありません。
注意すべきは、②の「事業(白)+給与」のとき(事業の赤字と給料の黒字を通算できるので)。
この辺りはドンピシャの法律がないので、現状を見て判断することになります。
いずれにしても確定申告は必要なので、申告期限までに提出しましょう。
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