フリーランス・個人事業主が税理士に依頼すべき判断基準とそのメリット<No 902>

最善の答えをもらうには?

2019年もあと一週間となりました。

年が明けると、e-taxによる確定申告が始まります。

この時期、個人のお客様とお話すると、お伝えすべきポイントがたくさん見つかります。

自分で申告されてきた方々の決算書や申告書、経理の中身を見ると、
長年にわたり不利な選択をされている方が結構な割合でいらっしゃいます。

税務署へ自分で提出することもできます。

申告会場で話を聞くこともできますが、そういったところでは簡易な答えしか返ってこず、
数ある選択肢からその人の状況に合わせた最善の答えをいただけるとは限りません。

複雑な要素が絡み合っていると即答できる答えは限られます。

その点、第三者である税理士が時間をかけて精査すれば、
ご本人が気づいていない数値や状況をあぶり出すことが出来ます。

では、どういったことで税理士の判断が必要になるのでしょうか?

 

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フリーランス・個人事業主が税理士に依頼すべきポイントとそのメリット

青色・白色の判定

個人で事業を始めると白色申告から始まります。

青色申告をしようと思うなら事前に届出しなければなりません。

提出期限は、その適用を受ける年度の3月15日まで。
(年の中途で事業を始めたならば、事業開始から2ヶ月以内)

初年度からそこそこの売上や利益が見込まれるようであればもちろんのこと、
例え赤字であっても初年度から青色申告の適用は受けるべきでしょう。

この辺のことについて知識がなければ、初年度から結構な税額を払ってしまうことになります。

というのも、青色申告には白色にはない特典がいくつかあるからです。

  • 青色申告特別控除
  • 貸借対照表を付けたら65万円控除(2020年分から55万円)
  • 青色事業専従者給与
  • 欠損金の繰り越し
  • 消耗品は30万円まで

 

青色申告にするだけで、10万円の控除が受けられます。
(もちろん、必要な帳面を備え付けている場合に限る)

貸借対照表を付けたら控除額は65万円に増額。

配偶者である家内労働者に支払った給料が経費として認められます。
(事前届出が必要)

また、赤字は翌年以降3年間繰り越すことができるので、
「売上もないし、利益出ない」からといって放置するのは避けましょう。

消耗品は白色ならば10万円まで認められ、10万円を超えると減価償却して
複数年で費用にしなければいけません。

その点、青色であれば30万円までが全額経費として認められます。

これらは有利というよりも事業者であれば受けるべきなので、
初年度から青色申告を心がけましょう。

ただし、そういった判断を税務署が親切丁寧に教えてくれるわけではありません。

聞いた質問1に対して1の範囲内で答えてくれますが、
付随する2、3、4の答えは教えてくれません。

ネットリテラシーあれば、関連記事をいくつか見れば気づく方もおられるでしょうが、
ピンポイントで自分が欲しい記事にたどり着くとも限りません。

また、事情は人それぞれなので、自分の状況に適した情報が欲しければ、
専門化に相談すべきでしょう。

 

青色申告特別控除 65万円の適用

前述の通り、青色申告で、かつ、貸借対照表を付けて申告すると65万円の控除が受けられます。

通常10万円控除のところ、貸借対照表を付けるとプラス55万円の経費を作ることができます。

10%の税率ならばザックリ55,000円払う税金が少なく済むわけです。

ただし、貸借対照表を作るには「資産」や「負債」の残高を合わさなければいけないので、
現金帳や預金帳などが必要になります。

これも、会計ソフトを導入れすれば、ある程度までは自動で作ることができます。

もちろん、残高は自分で合わせなければいけないので、ある程度の知識は必要になります。

この辺の知識をネットで得るのも良いですが、単発の個別相談でやり方を税理士に聞くのも
1つの手だと。

申告自体を税理士に依頼しても良いのですが、やり方をキチンと学んでおくと
将来的に自分で申告することも可能です。

 

消費税の計算「簡易」か「本則」の判定

売上が1千万円を超えたら、その2年後(3年目)から消費税はかかってきます。
(ただし、2年目上半期の売上もしくは給料が、1千万円を超えたら2年目から消費税はかかります)

消費税の計算方法は、実際に預かった額を国に納める「本則課税」と、
経費として払った額を簡便的に計算する「簡易課税」があります。

簡易を適用するには事前の届出が必要で、本則にはその必要がありません。
(既に簡易を適用していて本則に戻す場合は、その届出が必要)

これら2つの方法で消費税額をそれぞれ計算した場合、納める消費税額が大きく異なることがあります。

では、どちらを使えば良いのか?

判断基準は、次の割合のうち、いずれか高い方を選びます。

  1. 「売上に係る消費税」に対する「仕入や経費に係る消費税」の割合
  2. 簡易課税の「みなし仕入率」

 

この選択を間違えてしまうと、単年度でも数十万円納める消費税が変わってきます。

数年続くと、百万円単位で。

売上が1,000万円を少し超えたぐらいでも、消費税10%以降はそれなりの違いになってしまいます。

優位不利の判定には消費税の計算構造を理解していなければ判断することができません。

税務署や税理士の無料相談で、ざっくり教えてくれたとしても、
クルマや機械、建物など大きな資産を購入することも考慮に入れておかないと
税額は将来的に大きく変わってきます。

判断をミスったときの差額を考えると、その金額だけで税理士報酬は賄えます。

 

配偶者控除か専従者給料か

家内労働をしている配偶者に支出した給料の額は、
白色申告であれば86万円の控除を受けることができます。

これを知らずに配偶者控除(38万円)を受けているケースが見受けられます。
(お仕事を手伝っているのが前提です)

さらに、青色だと青色専従者給与の届出をすれば、
その届け出た金額の範囲内であれば支払った給料は経費として認められます。

もちろん、事業に見合わない高額な給料を設定をしていては、
否認される恐れはありますが。

こういったことを知らずに届けていない方が結構な数でいらっしゃいます。

白色でも86万円までは認められますし、青色にすればそれ以上の金額が認められます。

 

確定申告のビジョンとミッションが見えているか?

確定申告を自分でやってらっしゃる方に多いのが、
「わからないことが、わからない」。

目指すべき方向性がわかっているが、その方法がわからないのであれば、
ネットや書籍で調べることができます。

しかし、先ほどの「わからないことが、わからない」ケースであれば、
目指すべきビジョンが見えないので、何から手を付けて良いのかすらわかりません。

確定申告で目指すべきはビジョンとは、

  • 適正な損益を計算し
  • 適正な決算書・申告書をつくりあげ
  • 期日までに提出すること

 

これを達成するために行うミッションが、

  • 紙であれソフトであれ帳簿を備え付けて
  • 日々、記帳を継続し
  • 予測と実績を限りなく近づける努力をし
  • 選択可能なものは常に有利な方法を選択することを試みる

 

可能であれば自力で、最速でたどり着くなら専門家の知識を借りてはいかがでしょうか。

 

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