節税対策

家を買って売った場合の「3000万控除」と「住宅ローン控除」の選びかた

yujiroyamamoto

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どちらか一つだけ

今、住んでいる家を売って、新たに家を買った場合、税務上、利用できる節税があります。

  • 3000万控除
  • 住宅ローン控除

この控除、2つとも利用できれば良いのですが、できません。

あくまでも1つだけ。

では、どちらを受けたらいいのか?

ケースバイケースですが、大まかな判断の仕方についてお伝えします。

家を買って売った場合の「3000万控除」と「住宅ローン控除」の選びかた

概要

今、住んでる家を売ったときに利益が出れば、その利益に対して所得税がかかります。

適用要件はいくつかありますが、利益が3,000万円までであれば所得税はかかりません。

所得税がかからなくて助かるのですが、3000万円控除の適用を受けると、買った家については住宅ローン控除を受けることができません。

  1. 住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡した家
  2. ①の家とともに譲渡したその土地

逆も同様、買った家で住宅ローン控除を受けて、その後に住んでた家を売ったら3000万円控除は受けられません。

どちらの控除も、確定申告をすることによって受けることができるので、この時期、悩まれているかたは多いでしょう。

そもそも、譲渡の計算を一般のかたがやるのは難しいでしょうし、住宅ローンで将来、受けられる節税額がいくらなのかを計算するのも。

無料相談は一般的なことは聞けても、詳しい税額までは教えてくれません。
(限られた時間のなかで回答するのは困難。責任も負えません)

こうしたサイトの記事を見ながら自分で計算するか、税理士に依頼して判断してもらうかの2択となります。

3,000万控除を受けるなら

数字を挙げながら考えてみます。

通常、所得税の税率は、所得が増えるごとに税率も上がる超過累進税率なのですが、不動産の譲渡については固定です。

・長期譲渡所得金額×15%(+住民税5%)
・短期×30%(+住民税9%)

長期(5年超所有)なら15%、短期(5年以内)なら30%で、加えて住民税がそれぞれかかってきます。

あと、復興所得税も(所得税額の2.1%)。

譲渡益が3,000万円の場合

譲渡益が3,000万円だと、以下の通り、結構な金額です。

節税額
・長期 3,000万円×20%=600万円
・短期 3,000万円×39%=1,170万円

譲渡益が1,000万円の場合

節税額
・長期 1,000万円×20%=200万円
・短期 1,000万円×39%=390万円

仮に、夫婦で共有名義だと、それぞれの持ち分に応じて計算します。

これらの数字と、住宅ローン控除を受けた場合に、将来、控除される所得税額を比較します。

住宅ローン控除を受けるなら

住宅ローンを組んで買った家の年末のローン残高が3,000万円だった場合

  • 家の価格3,500万円>ローン残高3,000万円 → 3,000万円
  • 3,000万円×0.7%=21万→イチ年間の控除限度
  • 21万×13年間=273万円の節税

ただし、注意しなければならないのは、住宅ローン控除は、その年の所得税がなければ控除自体できません。

  • 給料だけなら、給料から天引きされた源泉所得税が還付の上限
  • 事業所得やその他の所得による所得税があれば、その所得税額が控除の上限

故に、上に挙げた例でいえば、年間21万以上の所得税がかかる人であれば、満額ローン控除の恩恵を受けることができますが、それ以下であれば、満額受けることはできないということ。

そのうえで、算出した数字を比較して決めればいいでしょう。

ただし、3,000万円控除については、適用要件がいくつかあるのでご注意を。

ちなみに、住民税で住宅ローン控除が利用できるのは、所得税で引ききれなかった控除額があるときだけ。

なので、限度額は以下のいずれか低い方の金額です。

  • 住宅ローン控除額のうち所得税で引ききれなかった額
  • 所得税の課税所得金額の5%(最高97,500円)2024年取得

故に、上の例で言えば、所得税と住民税で合わせた上限が21万円となります。

微妙な数値なら依頼する

住んでいる家を売って、新たに家を買った場合、3,000万円控除とを住宅ローン控除のどちらが有利なのかについてお伝えしました。

ざっと計算して明らかに有利不利がわかれば、有利なほうを選べばよろしいかと。

微妙な数値だと、税理士に依頼したほうがよろしいかと存じます。

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