借金すれば相続対策になるのは本当なのか?<N0 17>
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相続税が変わりました
平成25年度の税制改正により、相続税法について税率の見直しなどの重要な改正が行われました。
その改正のなかでも、相続税の課税最低限をあらわす遺産に係る基礎控除額の引き下げは、平成27年以降に開始する相続について、納税義務者が大幅に増加することが見込まれるなど、大きな影響を与えています。
相続税のかかる人
これまで、富裕層にのみ関係があると思われていた相続税が、身近なものになりつつあり、相続ビジネスなるものが、巷に広がっています。
しかし、実際に相続税がかかるのは、亡くなった方に対して、これまで2、3%であったのが、7,8%ほどになるにすぎません。
よって、これまで通り、大部分の方については、縁のない税金であることは間違いないです。
借金すれば相続対策になるのか
巷でよく聞くフレーズです。
実務でも、よく聞きます。
これは、借金すれば、債務が増えると考えるからでしょう。
しかし、実を言うと、借金した時点で、債務が増えますが、同時にお金も手元に増えます。
この時点で、相続が開始するとどうなるでしょうか?
同一金額の財産と債務が、相殺されてゼロになるだけです。
では、なぜ、こういった言説が広がったのでしょうか?
ポイントは、その後にあります。
① まず、お金1億円を借りる
② 借りた1億円で借家を建てる
③ 相続が開始する
この建物を建てることにより、お金を建物に変えます。
相続税の計算における、建物の評価は、固定資産税評価額で行います。
この固定資産税評価額は、時価の7割評価と言われています。
また、借家であれば、さらに借家権が減額されます。
これにより、お金1億円を7千万円以下の評価に下げることが出来ます。
一方、土地についても、その土地に何も建っていなければ更地の評価となりますが、借家を建てることにより、その土地は相続税法上、貸家建付地とよばれる財産となり、評価が減額されることになります。
要は、借金しただけでは、何も変わらない。
建物を建てることによって、その土地と建物の評価を下げるというものです。
しかし、これは、借金せずとも、自分のお金で行っても同じ効果があります。
よって「借金すれば相続対策になる」というのは、言葉足らずの表現であります。
数十年後の住宅状況は、空き家率の上昇に伴い様変わりしていると考えられます。
そこにリスクが伴うことを、今一度、考えてはいかがでしょうか。
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