値下げは想像以上のボディーブロー。自分の「稼ぐチカラ」を知っておく
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Contents
売上は追わずに利益を追う
大学を卒業して、この業界に入るまでは、
営業をしていました。
今から20年ほど前のことです。
毎月の定例会議で、
- 製品売上目標
- 物品売上目標
- リース契約目標
を発表します。
そして、支店長を初めとする上司からのフィードバックを受けます。
このフィードバックも
- 感覚
- 気合い
- やる気
など、バブルの影響が色濃く残る業界でした。
販売価格は語られても、これらの原価や利益がいくらなのか誰も語る人はいませんでした。
あくまで、
- 売上目標
- リース件数
が話題の主役であり、今から思えば、念頭におくべきことは、売上でもなく、件数でもなく「利益」でした。
自分の「稼ぐチカラ」を知っておく
通常、利益は、「売上-仕入(原価)-経費」として算出されます。
サービス業など、商品の仕入がなければ、「売上-経費」となります。
限界利益は「稼ぐチカラ」
自分の会社や商品に稼ぐチカラがあるかどうかを判定するためには、限界利益を知る必要があります。
限界利益は、「売上-変動費」で求めます。
変動費とは、売上に比例して増減する費用で、仕入以外に、
- 商品の荷造り費用
- 運搬費
- 検収費
- 販売手数料
などがあります。
逆に固定費とは、売上の増減にかかわらずに発生する費用をいいます。
通常、決算書にあがる数字は、
- 粗利:売上-仕入
- 営業利益:売上-仕入-経費
などで、限界利益という項目は見当たりません。
ですが、この限界利益こそが、自分の稼ぐチカラを知るうえで大切な数字なのです。
限界利益を増やす4つの方法
より多くの限界利益をだそうとすれば、
- 価格を下げて、販売数を増やす
- 価格を変えずに、販売数を増やす
- 価格を上げて、販売数はそのままにする
- 原価を下げて、販売数はそのままにする
この4つの方法があります。
今日は値下げについて解説します。
値下げは、想像以上のボディーブロー
安易にやってしまうのが、値下げです。
値下げをしても成り立つビジネスモデルは「大量販売」することです。
これが可能なのは大手企業であって、個人や中小零細企業がやってしまうと組織もろとも疲弊します。
では、どうしてなのか。
仮に、
販売価格:1,000円
仕入価格: 600円
運搬費: 100円なら
限界利益は、
1,000円-600円-100円=300円
限界利益率は、
300円÷1,000円=30%
ここで、10%の値下げ(1割引)をすると、
販売価格:900円
仕入価格:600円
運搬費:100円
限界利益は、
900円-600円-100円=200円
限界利益率は、
200円÷900円=22.2%
「10%の値下げで7.8%の限界利益率ダウンなら問題ないのでは?」
しかし、限界利益は、300円から200円まで落ちています。
たった10%の値下げで、33%のダウンです。
仮に、元の価格で1日10個売れたなら、限界利益は、300円×10個=3,000円
10%の値下げで3,000円の限界利益を得ようとすれば、3,000円÷200円=15個
たった10%の値下げで1.5倍以上の数を売らなければ値下げをした意味はないということです。
また1.5倍の量を売ろうとすれば、人件費などの固定費も上がります。
安易な気持ちで10%の値引きをすれば、想像以上のボディーブローとなります。
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