交際費にしていれば何でも落ちる?飲食代にまつわる税務調査対策
<プロフィール・ご依頼>
Contents
緩くなったときにやってくる税務署
事業を営んでいて誰かと飲み食いをした。
自分の事業に関わりのある人とであれば、交際費として迷わず経費にするでしょう。
これが、
- 友達と
- 部下と
- 家族と
- 自分ひとりで
となったときにどう処理するのか?
法律的には、それぞれ、シチュエーションに応じて、こうすべきという決まりはあります。
とはいえ、プロでない限り、すべての取引を適切に判断するのは難しいもの。
仮に、「経費にならないかも」と思っていても、交際費として経費に入れてしまうこともあるでしょう。
税務署がすぐに来るとは思わない人もいるでしょうから。
独立直後はおっかなびっくり申告していても、2年3年と税務署からのお咎めがなければ、判断が緩くなってしまうのも理解できます。
しかし、税務署は、その緩くなったときにやってきます。
飲食代にまつわる税務調査対策
税務署からのお咎めがないのは、中身がわからないから。
決算書の数字だけ見ていても、それが合っているのかどうかはわかりません。
税務署も暇じゃないので、それなりの税額がとれるところに当たりつけて調査に入ります。
「うちは売上が少ないから来ないだろう」と思っていても、売上の規模に関わらず入るときには入ります。
入ったあとで、「なんでうちなんか」とぼやいたところで後の祭りです。
目指すのは、税務署が、「入っても大した税額はでないだろう」と思わせるような資料づくり。
そして、仮に、入ったとしても、調査に耐えられる堅牢な経理です。
経費なる飲食代・ならない飲食代
同じ飲食代でも経費になるものと、ならないものがあります。
経費になる飲食代は、事業に関わりのある内容か?
得意先や仕入先と、仕事の打ち合わせがたらご飯を食べれば、それは交際費となります。
仮に、得意先の仕事に関係のない打ち合わせであっても、親睦を深めることによって、仕事の受注に繋がるのであれば、交際費として問題ないでしょう。
もちろん、そんな細かいことは法律に書いていません。
書いてませんが、「仕事に関係のない打ち合わせ」と立証するほうが難しいでしょうから。
判断に迷うのは、先に挙げたところでしょうか。
- 友達と
- 部下と
- 家族と
- 自分ひとりで
これらも、当の本人なら、事業に関わりがあるかどうかは判断がつくでしょう。
事実と異なることをやると、あとでお咎めのリスクは高まります。
部下との食事でも、仕事の打ち合わせであれば、「会議費」として経費なります。
だからといって、毎日、会議していたら、怪しいでですし、「給料」として課税されることもあり得ます。
給料と判断されると、決算書では同じ経費なので、所得税に違いはありませんが、給料に係る源泉所得税の追徴が出ます。
そうならないためにも、限度はあると考えておきましょう。
家族との飲食でも、事業者同士であれば、仕事の話しもするでしょうから、すべて駄目ということはありません。
私が自営の兄弟と、ご飯食べながら仕事の話をすれば、支払った方の交際費となります。
負担した側の経費になるので、折半なら半分づつ経費となり、片方がすべて払ったら、払ってないほうが経費にしちゃ駄目です。
どこで経費になっても構いませんが、人によって経理となる金額が変わっちゃいけません。
自分ひとりの食事は、会社なら給料(役員報酬)と認定され、個人なら経費とはなりません。
とはいえ、スタバで企画書を書いていたり、新たなサービスの構想を練っていたりすれば、会議費としての体裁は整っています。
要は、行き当たりばったりではなく、きちんと説明できるかどうか、そして、それを記録に残しているかどうか。
このあたりが大事なところです。
記録に残す
請求書や領収書がありさえすれば、すべて経費になるわけではありません。
ないよりはマシというくらいで。
足りないところを補うのが「記録」です。
記録は、どんな形式でも構いませんが、売上帳・預金帳・経費帳といった帳簿の形式のほうが機能的です。
雑記帳よりも、見る人の印象が違います。
税理士が入っていないと、この帳面を端折って、領収書を集計して直接、決算書をつくることが見受けられます。
こうなると、数字は合っていても、それぞれの取引がどういった状況で行われていたのか、対外的に証明できません。
- 紙の帳面
- Excel
- 会計ソフト
なんでも構わないので、あとあと、疑われないように記録しておきましょう。
5w1h
疑われないためにも、記録すべきは5w1h。
- いつ when
- どこで where
- 誰が who
- 誰と whom
- 何を what
- どうした how
すべて記載するのは難しくても、頭のなかで5w1hを意識しながら帳面づけしているだけで、あとで見る人の印象はまったく異なります。
嘘の作文は難しいもので、調査官や税理士といったわかる人が見れば、それが本当なのかわかるものです。
将来的に調査が来るかどうかはわかりません。
しかし、実際に来たときに、一枚一枚資料をめくる調査官を思い浮かべたら、あまり良い気持ちはしないでしょう。
そのためにも、決算のときにまとめてするのでなく、経理を日々のルーティンに落とし込むことをオススメします。
前日の取引を、たとえ10分でいいので毎日記録に残すこと。
Excelでも、会計ソフトでもクラウド会計でも構いません。
何もいれていないなら、興味のあるものから入れて試してみましょう。
真実を真実として信用してもらうための記録
領収書があるから経費になるのではありません。
嘘を真実にするのではなく、真実を真実として信用してもらうために、記録をつけるのです。
これさえあれば100%ということはなく、
- 真実
- 記録
- 領収書
複数のものが合わさってはじめて信用してもらえます。
<メルマガ「社長の仕事術」>
毎週月・木曜の正午に配信。
法人・個人問いません。独立されているかた向け。
駅のホームで電車を待ちながら読めるくらいの内容です。
メルマガに対する質問や疑問にも応えます。
こちらから
<You Tubeチャンネル「独立・開業コンサルタント 税理士 ユウジロウ」>
You Tubeで動画配信しています。
よろしければ、チャンネル登録お願いいたします。
こちらから
<単発・スポット>