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複合仕訳を記帳するには振替伝票で入力する
白色申告から青色申告になるとより正確な記帳が求められます。
青色申告でも損益計算書だけでなく貸借対照表を付けるとなると、
より一層きちんと帳面をつけなければいけません。
白色や、青色の損益のみであれば手書きの帳面やExcelの集計表でも十分ですが、
貸借対照表まで作る場合は会計ソフトを利用した方が良いでしょう。
その会計ソフト、現金出納帳や預金出納帳から直接入力すれば、
簿記の知識がなくてもきちんと記帳することができます。
ただし、これらの出納帳でも単一の取引であれば入力しやすいのですが、
複数の仕訳が絡み合うと途端に難易度があがります。
取引によっては出納帳では記帳できない仕訳も出てくるでしょう。
複数の取引が混在した仕訳を複合仕訳と言いますが、
この複合仕訳を記帳するには振替伝票で入力するのが簡単で便利です。
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頻繁に行う取引だけ覚えておけば十分
複合仕訳は簿記3級で勉強する内容ですが、経理関係の仕事で使わない限り、
わざわざ勉強する必要はありません。
自分の商売上、頻繁に行う取引だけを覚えておけば十分です。
この機会に覚えておきましょう。
単一仕訳は出納帳から入力でOK
まずは、基本の単一仕訳から。
単一仕訳とは、次のような取引を含む仕訳です。
<取引>現金で電車賃180円を支払った場合
<仕訳>借方 旅費交通費 180円 / 貸方 現金 180円
これを、一般的な会計ソフトの現金出納帳で入力すると、次のようになります。

電車賃に180円使ったので、旅費交通費として記帳され、かつ現金の残高も180円減っています。
<取引>商品の仕入代金50,000円を預金から支払った場合
<仕訳>借方 仕入 50,000円 / 貸方 普通預金 50,000円

単一仕訳であれば、簿記の知識がなくてもなんとく記帳することができます。
複合仕訳は「振替伝票」から入力するとわかりやすい
単一仕訳に対して、複数の取引が混在した仕訳を複合仕訳といいます。
例えば、
<取引>売上10,000円から振込手数料330円が引かれ、9,670円が入金された場合
これを出納帳で入力するとなると面倒です。というより分かりづらい。
仕訳にしてみると
<仕訳>借方 普通預金 10,000円 / 貸方 売上 10,000円
借方 支払手数料 330円 普通預金 330円
といった具合に、いったん売上代金10,000円をもらったことにし、
その後で手数料330円を払ったこととします。
簿記をやっていないと、なかなかアタマに入ってこないでしょう。

なにより、通帳には9,670円しか印字されていないのに、
ここではその金額が表示されないのがしっくりきません。
場合によっては、これ以外にも2つ3つの処理方法がありますが、
経理を本業にされていない方がここにアタマを使うのはもったいないです。
貴重な頭脳は本業にために使うべきです。
他にも、
- 給料総額から預り金を天引きし、手取り額を社員に振り込んだ場合
- 借入金を返済した場合
なども同じです。
では、振替伝票ではどうやって記帳するのか見ていきます。
<取引>売上10,000円から振込手数料330円が引かれ、9,670円が入金された場合

売上は当初の金額10,000円で記帳され、預金への入金額も実際の金額なのでしっくりきます。
<取引>給料総額から預り金を天引きし、手取り額を社員に振り込んだ場合

給料は総額で、預金からの支払いは実際に払った金額が表示されています。
この預り金を発生させる仕訳は、最初からできるものではありませんが、
「知っているか、知らないかの差」のなので、ここで覚えておきましょう。
<取引>借入金を返済した場合

借入金を返済しても、引き落とされた全額が借入金ではありません。
利息が含まれているので、元本と利息に分ける必要があります。
先程のように、出納帳で二つの仕訳に分けることも可能ですが、
振替伝票で純額表示した方がわかりやすいです。
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複合仕訳のその次は
まずは、出納帳形式で現金出納帳と預金出納帳の入力方法を覚えます。
これができたら、振替伝票をつかって複合仕訳を入力できるようにします。
ここまでできれば、概ねどんな取引でも自分で仕訳を作れるようになります。
次回は、試算表や決算書のつくり方やお伝えします。