個人から法人へ。不動産を会社で管理する場合の注意点【相続税編】<No 290>
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所得税と法人税だけでない
節税対策で会社を作るケースの多くは、高額になった個人の所得を、会社を経由して分散させます。
- 個人
- 法人
- 個人の親族
と大きな山を小さく振り分けます。
この場合、
- 個人には所得税
- 法人には法人税
が課せられますが、会社が不動産を管理するためのものであれば、
これら以外にも注意すべきことがあります。
何が相続財産になるのか知っておく
不動産管理会社を作ると、所得税や法人税に目が行きがちですが、
将来の相続税も視野にいれておく必要があります。
土地の評価は「うわもの」との関係で決まる
不動産管理会社は、土地の使用料として地代を地主に払います。
このとき、不動産管理会社は地主の同族会社なので、地代の設定もまちまちになります。
では、この地代をいくらに設定すればいいのか?
賃貸借
高すぎれば、法人へ振った所得が個人へ戻ることになり、節税効果が薄れます。
また、安すぎれば賃貸借として認めてもらえません。
賃貸借として認めてもらえないと、将来の相続時において自用地(更地)の評価がされてしまいます。
更地の評価は減額効果がなく高い評価額となります。
相続税の評価時に、賃貸借と認められるには、一般的に
- 土地の固定資産税(年間)の3倍程度
が必要です。
年間の固定資産税程度では、賃貸借による評価が否認される判例も多く見受けられます。
使用貸借
法人と地主の間で、地代のやり取りをしないことを「使用貸借」と言います。
また、固定資産税(年間)の3倍に満たない少額の地代のやり取りも使用貸借とされます。
使用貸借であれば、先ほど述べた通り、その土地は更地で評価されます。
会社の株も相続財産になる
会社の設立時に何も考えないでいると将来の相続時に慌てることになります。
株主は誰にする?
というのも、この不動産管理会社の株式が将来の株主の相続財産となるからです。
なので、経営(役員)と所有(株主)は別々の人間にしておきます。
具体的には、
- 役員・・・親世代オーナー
- 株主・・・配偶者又は子供
子供にしておけば、相続1回飛ばすことが出来ます。
株主は何名にする?
将来の相続時に会社の株式が価値ある相続財産となっていれば、それをめぐり揉めることも考えら
れます。
これを回避するために、株主は1名にしておきます。
相続発生までどれほど期間があるのか?
相続と言っても将来のいつに発生するのかはわかりません。
なので、場合によっては、地代の設定も地主が元気なうちは「使用貸借」で所得税を抑えておく。
そして、60歳を超えたあたりで、「賃貸借」に変更するようなケースもあります。
ただし、本当にいつ発生するかはわかりません。
間際に変更するようなやり方だと税務署は認めてくれません。
節税対策は、ほどほどにしておきましょう。
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