法人の交際費として経費になる飲食代はいくらまで?<No 1443>
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事業にかかわりがあるかどうかは、法律で判断する
事業をやっていて、何が経費になって、何が経費にならないのか。
判断に迷うこともあるでしょう。
事業に関わりがあれば、大概のものは経費になります。
とはいえ、「事業に関わりがある」と判断するのは、自分ではなく法律です。
事業に関わりがある支出だと自分が思っていても、法律の基準からはみ出していると経費とはなりません。
特に交際費については、事業に関わりがある支出であっても経費にならないことがあります。
法人の交際費として経費になる飲食代は?
交際費とは
法律では、交際費について次のように書かれています。
交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先・仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいう。
)租税特別措置法61条4-4
売上を得るために要した費用だけでなく、仕入先や利害関係者に支払った費用も含まれます。
ただし、通常の広告宣伝・会議・福利厚生の要素がある支出については、交際費とはなりません。
とはいえ、会議費として経理したから、交際費とはならないのではなく、あくまでも実態で判断します。
そして、もう一つ。
交際費を使ったらイケないというわけではありません。
会社が交際費をいくら使ってもそれは自由です。
経費(法人税法上の損金)になるかどうかは、そのあとの話です。
税務と営業活動は別物だから、交際費の支出を認めるかどうかは会社ごとに決めればいいのです。
支出を認めるというのは、社員が立て替え払いした取引先との飲食代を会社が負担すること。
立て替え払いした金額を会社からもらえば社員の負担はありません。
「経費になる」という言葉は、社員が言えば、自腹でなく会社が負担してくれるということ。
会社や社長が言えば、損金になって税金が安くなるということです。
ここまでが、営業活動の話であって、以降は税法(税金の計算)の話になります。
経費(損金になる)
税金の計算上、交際費・接待費・福利厚生費・会議費など、どういった言い方をしようが関係ありません。
言ってみれば、決算書の表示は無視した上で、申告書をつくる段階で、交際費に該当する支出がないかどうか、いったんまな板の上に並べて判断します。
福利厚生費として処理したなかに、得意先とのゴルフ代が入っていれば交際費になりますし、
会議費のなかに、仕入先と飲んだ費用が入っていればこれも交際費となります。
決算書で調整するのではなく、申告書で調整するので、決算書ではどんな科目で載せておいても構いません。
福利厚生費
飲食代でも社員の慰安のためであれば、福利厚生費として全額損金になります。
ただし、社員と満遍なく食事をしていればいいですが、特定の社員と頻繁かつ定期的だと給料と見なされるケースもあります。
会議費
社内会議での弁当代や、ケータリングなどは会議費として全額損金となります。
5,000円以下の飲食代
交際費として支出した飲食代であっても、少額であれば損金として認められます。
基準は、1人あたり5,000円以下かどうか。
この場合、領収書で総額がわかっても、参加人数がわからないと1人あたりの金額がわかりません。
- レシートをもらう(人数表記のある)
- 領収書に参加人数を記載してもらう
- 帳簿に参加人数・相手先を記載する
などして、税務調査に耐えうる防衛策をとっておきましょう。
資本金100億円超
資本金が100億円を超える企業が支出した交際費の額は、全額損金となりません。
大企業は、損金と認められなくても必要であれば支出するでしょうし。
優遇税制からは除外されています。
資本金1億円超
資本金が1億円が超える企業も、交際費の額は損金として認められていません
ただし、交際費として支出した飲食代のうち50%は損金として認められます。
仮に、接待で使った飲食代が年間400万円あるとすれば、そのうち半分の200万円が損金として認められることになります。
資本金1億円以下
日本の企業の9割以上が、資本金1億円以下の中小零細企業です。
これらの企業を優遇するために、資本金1億円以下である企業については、
- 年間800万円までの交際費
- 飲食代総額の50%
いずれかまでの金額が損金として認められています。
年間の交際費が800万円以下であれば、全額損金になりますし、飲食代総額が1600万円超であれば、その半額(800万超でも良し)が損金として認められます。
たとえ、損金にならなくとも、必要ならば使う
社員のうちは、領収書を切って、会社が負担してくれるかどうかだけ考えていればいいですが、
オーナー社長になると、会社も自分も同じなのでいずれも自腹です。
考えるのは、その交際費で税金が安くなるかどうか。
とはいえ、節税で考えるのも良し悪しなので、たとえ、損金にならなくとも、仕事を得るために必要な支出であれば、会社が負担すれば良いでしょう。
もちろん、申告書での税務調整は必要になりますが。
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