会社設立

会社設立freeeで定款の認証。自分で会社をつくってみる<No 120>

yujiroyamamoto

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「会社設立 freee  無料で会社設立に必要な書類を5分で作成」?

2016年11月の個人事業開業に合わせて、会社を自分で作り始めました。

2015年に一度だけお客様と会社を作ったことがあったので、今回はひとりで作ることにしました。

会社の設立には大きく二つの作業があります。

ひとつは、公証役場での「定款の認証」と、もうひとつは、法務局での「会社設立登記」です。

定款の認証には、「紙定款」と「電子定款」がある。

これまで通り、紙でのやり取りが「紙定款」であり、ITによる定款を電子文書で認証するのが「電子定款」です。

紙定款は、誰でも作成可能なのですが、電子定款は、士業(司法書士又は行政書士)でないとできません。

[aside type=”normal”]  個人でも可能なのでしょうが、1回の会社設立ために素人がするには、現実的ではありません。[/aside]

そこで、今回は電子定款対応の「会社設立freee」を利用することにしました。

本当に5分で出来るの?

紙定款と電子定款を利用した場合を比較すると、断然、電子定款を利用した方が安いです。

最後まで、この安さが維持されるのか?

また、素人がひとりでやりきることができるのか?

疑問がわきますが、1度経験しているので、トライします。

 代行手数料印紙代 定款認証(公証役場) 合 計

紙定款

0円 40,000円 50,000 90,000
電子定款5,000円 0円 50,000 55,000

 

画面に従い、必要事項を入力します。

この作業で、第一段階である「定款の認証」に必要な定款を作成することが出来ます。

作成後、利用者は、freeeを仲介することで、提携している司法書士とやり取りをすることになります。

私は、「事業内容」「資本金の額」「決算期」を決めていなかったので、ここで1時間弱かかりました。

後々、事業内容を変更するには登記手続きと費用がかかるため、念のため上記の5つを盛り込みました。

freeeには、業種を選択するとモデルとなる適当な事業内容が表示されるので、この点は良かったです。

定款の作成が出来ると、自分で管轄の公証役場に連絡を入れて、定款に間違いがないか公証人に確認してもらいます。

この電話連絡は、利用者自身が公証役場にかけます。

この時点で、すでに夜だったので、公証役場への連絡は翌日になりました。

翌日、公証役場に連絡を入れると、定款のチェックは、FAXでも対応しているとのこと。

そこで、FAXを送ると2時間後に、公証人から連絡がありました。

指摘された点は、

  1. 生命保険契約締結の「代理」を「募集業務」に変更
  2. 発行済株式総数を10,000株から200株に変更(設立時発行株式10株に対して不自然とのこと)
  3. 住所表記を〇-〇-〇から〇丁目〇番〇号に変更(印鑑証明書の記載に合わせるとのこと)

以上のご指摘を受けたので、該当箇所を修正しましたが、プリントアウトすると修正箇所が反映されていません。

その旨を、司法書士とfreeeヘルプセンターの双方に連絡を入れました。

その後、司法書士からのサポートにより修正が完了し、定款をメール添付で、司法書士に送信し、ネットバンクから直接司法書士に手数料5,000円を振込みました。

それから2日後に、司法書士から公証役場との打ち合わせが完了したとの通知を受けました。

検証⑴

今回、最終的に公証役場に持参する定款が出来上がるまでに5日かかりました。

5分と5日。

「5」は合ってます‥

「必要な書類を5分で作成」の必要な書類を、どの段階で認識するかによりますね。

仮に、最初の入力だけだとしても、結構戸惑います。

それでも、雛形も提供されていますし、私のようなフリーランスには良いサービスだと思います。

残念だったのは、「一年未満の事業年度」は設定できないとのことでした。

しかし、司法書士や行政書士の業界にとっては、このサービスにより依頼の件数が減っていないのか気になります。

ある意味、「プラットフォーム」を獲得することにより業界全体に影響しているには違いないでしょう。

司法書士、行政書士以外で、「これまで最後まで一人でできた人は1名だけ」

本日、午前中の月次巡回を終えて、公証役場に連絡したところ、すぐに対応してくれるとのことで、役場に向かいました。

公証役場は、ビルの一室にあり、その入り口付近に受付カウンターがありますが、誰もいません。

間仕切りのボードに各公証人の名前と位置が表示されています。

公証役場の一室は、間仕切りで各公証人のスペースが分かれており、自分の担当となる公証人のブースの中まで入っていかないといけません。

本職の士業(司法書士や行政書士)の方なら慣れているのでしょうが、私は本職ではありませんので、恐る恐る中に入っていき声をかけたところ案内されました。

この昭和ながらのシステムは、独特で時間が止まっているようです。

持参すべき資料は、

  • 定款
  • 委任状
  • 現金約52,000円(定款認証代金)
  • 公証役場に行く人の本人確認書類
  • 新しいCD-R(定款の電子データの受け取り用)
  • 発起人の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
  • 発起人の個人実印(当日の修正がある場合に必要)

席につき、ひと通り公証人と話したところ、話しが食い違います。

私が発起人本人であることを伝えたところ、「あなた司法書士の〇〇先生じゃないんだ?」とのこと。

通常の段取りでは、本職の士業の先生が来るようです。

(5,000円の報酬で東京から司法書士が来ることはないでしょうが)

電子定款でも、発起人本人が来ることはまれなようでした。

それでも、進められるところまで進めようと思い、公証人とやり取りを進めたところ、「今度は、司法書士の〇〇先生が、ここにあなたに来てもらうことを委任する委任状が必要です。」

先ほどとは逆の委任状です。

そんなことは、freeeの手引きに書いてなかったと思ったところ、公証人がPC上で電子情報を確認したところ、「あっ、委任状来てるわ」とのこと。

その委任状に私の氏名の自署と押印をして、定款認証代金を支払いました。

ただし、司法書士本人が来ることを想定して、電子データの処理をしていたので、事務員の方が急遽、データの修正を行ってくれました。

検証⑵

電子のデータは、東京の司法書士から無事公証役場に届いていました。

結論、私は行った当日に「定款認証」を終えることはできました。

最後に、公証人が話しました、

「あなたのように、本人が最後までやられたかたはこれまで一人だけです」と。

そして、「いや~、定款認証代金もまけてあげたいくらいだよ。できないけどね。」

「でも、表彰したいね」

その公証人には、一日、40件ほどの依頼があるそうですが、本職でないかたが来られるのは全体の1割だそうです。

その中でも、最後まで自分でやられた方は、これまで1名とのことでした。

私が、これまで一度だけ経験したことがあることを考えると、経験のないかたがするにはハードルは高いのかと思います。

そこでfreeeのフォームには「専門家が会社設立をお手伝いします!」と表示されたボタンがあります。

これにより、途中で断念されたかたが、本職に依頼する流れが出来上がっているのでしょう。

今回、私は幸いfreeeのフォームにより定款認証を完了することが出来ました。

できた側の意見なんで、「やれば何とかなる」とは思いますが、実際、初めての人がやりきることを考えると、「作業の煩わしさ、わかりにくさ」から断念するかたが多いのかもしれません。

そして、この定款認証は、会社設立の第一段階にすぎないのです。

そのことを考えると「5分でできる最も簡単な会社設立」のフレーズは、現実とかなりの乖離があるように思えます。

 

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