税理士業

税理士がお客さまの「壁打ちの壁」役になるメリット

yujiroyamamoto

 

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「壁打ちの壁」役の必要性

税理士に依頼するとき、お客さまは何を求めているのか?

日常的に税務相談で質問できること、定期的に数字の報告を受け、自社の経営状態を分析してもらうこと。

ここらあたりは、基本的なサービス内容と言えるでしょう。

しかし、過去から現在までの状況は分析できても、未来に対する戦略について話し合う機会は少ないのではないでしょうか。

私自身、今の時代は別の役割も求められていると感じています。

それが「壁打ちの壁」役です。

従来の、過去の数字を分析し報告するという役割に加え、未来に向けた展望を共に作り上げていく役割です。

では、どのようにお客さまをサポートしていくのか?

税理士がお客さまの「壁打ちの壁」役になるメリット

「壁打ちの壁」役とは

まだ、現実になっていないものの、お客さまの頭の中にある構想や漠然とした考えを言葉にする手助けを、税理士が「壁打ちの壁」として担うのです。

お客さまは目の前の仕事に追われ、過去の振り返りもままならず、ましてや未来を構想する時間を確保するのは難しいもの。

過去の分析についても、税理士から説明を受けても、その後のやるべきことが具現化されていないケースも見受けられます。

過去の報告だけでなく、過去から現在を踏まえて、今後、どのように現状を好転させていくのか?

利益をどれぐらい増やしたいのか、その利益を確保するために売上を増やすのか、あるいは経費を減らすのか、さらには損益には現れない事業外の支出を減らすのか?

こうしたことを自身で振り返り、将来について考えるのは難しいもの。

それなら、身近にいる税理士を利用しないわけにはいかないでしょう。

壁の役割

「壁打ちの壁」役には、答えそのものを教えるのではなく、答えに導く質問力が求められます。

先日あった事例では、労働分配率(人件費の割合)の上昇について尋ねたところ、お客さまから高度な人材に依頼するために外注費の増加は致し方ないとのことでした。

一方で、毎月の運転資金について、理想の現預金残高をお聞きしたところ、現預金残高を増やしていきたいという希望も聞くことができました。

これらの話を聞いているだけでは、何も解決しません。

外注費を増やし、かつ手元に資金を残すことは、ベクトルが逆になります。

この矛盾にお客さまは気づいていませんでした。

このように文字にすればわかりますが、数字の報告だけでは、お客さまの理想の未来は見えてきません。

「壁打ちの壁」役として私が質問することで、課題が明確になり、お客さまの次の一手が決まりました。

「壁打ちの壁」のメリット

お客さまにとってのメリットは、頭の中に抱えている疑問を外に吐き出せること。

課題に対してやるべきことが明確になることで、頭の中をすっきりさせることができ、事業に集中できるようになります。

「壁打ちの壁」役に必要な力量

先生業は基本的に教えることに慣れています。

大事なのは、「壁打ちの壁」役が答えを出してしまわないこと。

あくまでも、お客さまに答えを出してもらうことが大切です。 

私も教えることが好きなので、つい自分の考えを話しがちですが、「壁打ちの壁」役のときには、聞くことに徹することを心がけています。

料金について

通常の顧問契約で作成した資料を見ながらの「壁打ちの壁」役であれば、顧問契約の料金に含まれることが多いでしょう。

私は、税務顧問のお客さまに対しては、その範囲内でサービスを提供しています。

ただし、お客さまが求めていなければ、あえて提供しません。

まとめ

税理士が「壁打ちの壁」役になることのメリットについてお伝えしました。

AIでなくなる職業の一つとして税理士が挙げられています。

従来の「教える」仕事だけでなく、今後は、思考の整理に必要な「聞くこと」「質問力」が求められているのではないでしょうか。

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