事業承継

個人間での事業承継。所得税と消費税に関する2つの注意点

yujiroyamamoto

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自分たちでやる事業承継

個人間で事業を引き継ぐ、いわゆる事業承継についてです。

贈与や相続によって引き継ぐことが多いですが、譲渡によって引き継ぐこともあります。

そうした場合、事業承継の仲介を行う専門業者が間に入り、一連の手続きを業務として行います。

しかし、そうでないケース。

例えば、身近な人同士で売買を行った場合。

こうした場合、専門業者に頼ることなく、自分たちだけで売買するケースもあります。

そうした際に注意すべき点がいくつかあります。

所得税と消費税に関する2つ注意点

売却した側の消費税の課税売上となるものがある

    まず1点目は、売却した側が消費税の課税事業者であれば、事業承継による売買が消費税の課税対象になるという点です。

    • 課税売上となるもの:建物、設備、車、器具備品、営業権など
    • 課税売上とならないもの:土地、その他非課税資産

    消費税の課税対象になるということは理解できるかと思いますが、注意すべきは、課税売上となるのは譲渡益部分ではなく、実際の売却金額であるということ。

    もちろん、売却代金すべてが課税売上となるわけではありません。

    売却した資産のうち、消費税の課税対象となるもの(建物、設備、車、器具備品、営業権なども含まれます)が課税売上となります。

    一方、土地や株式といった非課税資産に該当するものは課税売上となりません。

    普段から申告を税理士に依頼していればいいですが、そうでなければ、注意が必要です。

    事業承継による売買は、譲渡所得の総合課税により計算する

    2点目は、事業承継による売買は、これまでの事業活動での取引とは異なるということ。

    会計ソフトなどを使っていると、事業所得として処理してしまいがちですが、これは事業所得ではなく譲渡所得となります。

    譲渡所得でも、土地や株式であれば分離課税となりますが、それ以外の建物や設備などは総合課税によって計算します。

    分離課税は特定の税率で固定されていますが、総合課税の場合、事業所得や他の所得と合算した所得に対して税率が適用されるため、実際に計算してみないと税率がいくらになるかは分かりません。

    故に、所得の額に応じて税率が変わってきます。

    住民税(総合課税)は一律10%です。

    したがって、個人同士で事業承継を行う場合は、年内から譲渡所得や消費税の計算をして、ある程度のシミュレーションを行っておくことをお勧めします。

    償却資産の譲渡は間違いやすい

    今日は、個人間における事業承継において、注意すべき2つの点についてお伝えしました。

    減価償却資産を売却した際、そのまま事業所得に含めてしまう、という誤りがよく見られますが、事業承継による譲渡も同じです。

    実際の売却金額のうち、消費税の課税対象となるもの・ならないものの分類には注意が必要です。

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