企業倒産12年ぶり高水準から読み解くリスクマネジメント
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倒産件数が増えている
先日、東京商工リサーチから発表された2025年度の全国の企業の倒産件数が、前年対比で4%増え、1万5001件でした。
内容的に大きく挙げられるのが、物価高で仕入れがある業種であれば原価が高まるというところ、あとは人を雇う業種だと人件費の上昇というところが原因だと示されています。
人を雇いたくても慢性的な人手不足で、なかなか人が集まらないというところもあるかと思います。
人がいないから、事業を回すことができずに倒れてしまう。
また、大きな企業よりも中小零細企業の倒産が多く、従業員5人未満が全体の77%を占めています。
ここから見えるのは、資本力が大きく関係していること。
資金力がある大きな企業というのは、銀行から新たに融資を得られて、赤字であっても体力があるからなんとか乗り切ることができる。
けれども、中小零細企業だと資金繰りに苦しみ、金融機関から融資を受けられずに倒産してしまう。
事業を大きくしようとすれば人を増やさないといけないですし、人が集まらなければ回りません。
賃上げしないと人が集まらないと、それがそのまま利益を圧迫し、資金繰りが苦しくなるというところにもつながっていきます。
円安で原材料の仕入れの価格が上昇しています。
業種別で言うと飲食業の倒産が2%増で増えています。
近年の企業倒産事例において、どういった業種がどういった経営状態で倒産に至るのか?
そこから見えてくる傾向と対策はどういったものがあるのか見ていきます。
企業倒産に見られる傾向と具体的対策
企業倒産に見られる傾向
- 人が集まらない
- 人件費が上昇している
- 中小零細企業の倒産が増えている
- 円安が原因による原材料の仕入れ価格上昇
人が集まらない
まず事業を始めて、求人を出してもなかなか集まらないということはよく聞きます。
それがゆえに賃上げをせざるを得ないと、求人を出すにしてもハローワークなど従来型で費用を抑えて募集することができるところだと、ほぼ申し込みがないそうです。
仲介業者を頼るとなると、安くはない仲介手数料は増えていきます。
正社員ひとり集めるのも大変なのに、せっかく入って慣れてくれたものの辞められてしまったら、また募集をかけなければならず、結局、紹介会社や広告代理店に対する経費ばかりがかさんでしまって、人材が定着せず、さらに固定費が増えていく悪循環になります。
それがゆえに、最初から雇用が必要な仕事というのは、個人や小規模事業にはなかなか難しいのかと思います。
まず、スタート時から自分1人でやれるようなビジネス、自分の知恵や技術を売ることによって徐々に売上を増やしていき、仕事が増えていったら徐々に人を雇う形ができるビジネスだと、人を雇うことによるリスクを減らすことができます。
また、人件費が上昇することについて、人は集まるものの人を雇った結果、粗利益に対する労働分配率を押し上げ、最終利益が残らないということにもなり得ます。
人件費の上昇分を売上価格に転嫁できるかどうか、価格を上げやすいビジネスであればいいですけれども、業界自体で価格が一定になっていて単価を上げづらいと、個人や小規模事業だと難しいのかなと思います。
中小零細企業の倒産が増えている
倒産件数団体のうち、中小零細企業の倒産が77%を占めています。
この多くが資金繰りに起因しているところが多いのかなと、元々の資本力もそうですし、新たに融資を受けることができるかどうか。
これを回避するには、まずは資金繰り表やキャッシュフロー計算書など、お金の流れが見える指標をきちんと自分で把握することが大事でしょう。
事業を始めてからではなく、始める前から頭の中だけで考えるのではなく、数値として目に見えるようにしておくことが重要です。
自分でできなければ人にお願いする、税理士であれ、資金繰りを専門にしているコンサルタントであれ、資金繰り表やキャッシュフロー表を作ることが必要です。
まずは、この先1年間、借入をするのであれば5年、10年先の資金繰り表を作ることによって、そのビジネスがちゃんと回っていくのかを検証することができます。
もちろん事業を始める前ですから、絵に描いた餅であることは致し方ないですけれども、頭の中で考えているのと実際に数字にするというのは全く別物です。
数字にすることによって、その自分が掲げた数字が現実的なのかどうかが見えてきます。
また、融資を受ける際に銀行に提出すると、数字を見るプロですので、仮に満額の融資を受けることができなくても、一定の信頼性がある資金繰り表を事前に作ることができたという点は評価できます。
原材料や仕入れのあるビジネス
原材料や仕入れのあるビジネスは、昨今の物価高や海外情勢、原油高などの影響を受けやすく、リスクが高いです。
なので、仕入れのあるビジネスは、サービス業のように仕入れのないビジネスに比べて難易度が高いビジネススタイルであるということを理解した上で取り組むべきでしょう。
特にフランチャイズビジネスは、本部がビジネスモデルを提供してくれるため比較的スタートしやすいように見えますが、本部としては加盟店を増やしロイヤリティを得るビジネスモデルです。
実際にスタートした後に継続できるかどうかは別問題です。
こうしたリスクを踏まえ、本部の提示する数字だけでなく、自分自身でもお金の流れや業界の数値を分析する力が必要です。
固定費回収できるビジネスか?
- 固定費回収できても利益が出なければ毎月の返済は厳しくなる
- 設備投資のリスク
- サービス業のように気軽にスタートしてはいけない
店舗ビジネスは、賃料や設備投資が必要なら毎月の返済が発生します。
こうした返済は試算表には現れないため、利益として返済分を確保しなければなりません。
固定費を回収するだけの売上では不十分で、借入返済分の利益が必要になります。
試算表上でトントンであっても、返済があると資金は毎月減少していきます。
こうした点を事業開始前に理解しているかどうかが大事です。
本部や関係者がこうした点をきちんと説明してくれるかどうかも重要ですが、自分自身でも検証する必要があります。
事業を始める際には、実際にその事業を行っている人から話を聞くこと、また、税理士や資金繰りコンサルタントに資金繰り表やキャッシュ・フロー計算書をつくってもらうことで、将来的な倒産リスクを減らせるでしょう。
関係者以外の専門家に相談する
今日は、企業の倒産件数が高水準となっていることを踏まえ、これから新たに起業される方に向けて、事前にやっておくべきことについてお伝えしてきました。
これから事業を始める方、特に店舗ビジネスや設備投資が必要なビジネスをはじめる方は、事前にしっかりと準備をしておくことが重要です。
こうしたご相談も受け付けていますので、よろしければお声がけいただければ幸いです。
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