独立・開業

独立開業1年目、個人事業主の経理はどこまでやっとくべきか?3パターンで解説

yujiroyamamoto

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初年度どこから手を付ける?

今年独立開業された方であれば、まずは目の前の仕事をこなすことで精一杯ではないでしょうか。

いろんな手続き関係のものを固めていったり、そういった諸々のこともやらなければなりません。

まずは目の前の仕事をこなすのに精一杯という方が多いかと思います。

私のところにご相談に来られる方でも、開業してから半年間経理を何もやっておらず、税務署への届出もされていないという方もいらっしゃいます。

開業届くらいであれば多少遅れてもなんとかなりますが、基本的に役所関係の届出は事前に提出することが決まりとなっていることが多く、そういったタイミングを逃すと、受けられるはずの恩恵を受けられないことがあります。

そういったことも含めて、まずは経理関係について、実際にどこから手をつけて、どこまでやっておかなければならないのか?

3つのパターンについてお伝えしていきます。

独立まもない個人事業主の経理、3パターンで解説

ゴールをどこに定めるか?

経理といっても一概には言えません。

副業の方から、小規模な個人事業主の方、会社経理まで、人を雇ってそれなりの組織にしている方など、いろいろなケースがあります。

どこにゴールを設定したいかというところを、まずはポイントとして考えてみたいと思います。

この記事は、新たに独立された個人事業主の方にスポットを当てます。

個人事業主の方がまず考えられるポイントとして、普段の経理の必要性がどこまで大事なのかということ。

確定申告が必要ということは誰しもわかるかと思います。

そこに向けて、確定申告をどのようにクリアしたいのか?

申告書を提出すればそれでOKなのか。

それとも、節税対策をしてきちんとした申告書を提出したいのか。

将来、事業を好転させていくために、より良い対策をするにあたっての経理とはどういったものなのか。

こういったところを踏まえて段階的にお伝えしていきます。

申告できればそれでいい

まずは申告書を提出したらそれでいいという方。

こういった方であれば、ごく最小限の経理で問題ないです。

一番いいのは普段から毎日帳面をつけることですが、それが無理なら月1でも構いません。

帳面は、紙でもExcelでも会計ソフトでも構いません。

要は売上と経費が分かれば申告書を提出することは可能です。

大事なことは、売上を絶対に漏らさないこと。

売上を減らせば利益が少なくなって税金を減らすことができますが、売上を抜くのは脱税。

リスクしかありません。

税務調査が入ったら、追徴課税は当然のこと、悪質と判断されたら重加算税の対象になります。

なので、売上は漏らさずにきちんと集計すること。

青色申告をするのであれば、月別の売上が出るように記帳しておくと良いです。

経費については、請求書と領収書しかなく、何もつけていないとなると年明けになって厄介です。

申告間際になって徹夜で決算を組むようなことにならないためにも、経費ごとに金額を集計しておきましょう。

会計ソフトであれば自動で経費を集計してくれます。

会計ソフトを使わなくても、Excelで経費ごと(交通費、消耗品など)の金額を集計できるようにしておきましょう。

現金帳や預金帳も、できればつけた方がいいですが、最低限申告だけしたいのであれば、売上と経費だけの集計が分かれば申告はできます。

控除証明書(生命保険など)は9〜10月ごろから送られてくるので、袋などに入れてまとめておきましょう。

医療費は10万円(または所得の5%)を超えていれば控除できますが、超えていなければ無理にしなくても構いません。

余力があれば領収書を集めておいて、年明けに計算して申告書に記載すると良いでしょう。

パソコンが使えるのであれば、国税庁の作成コーナーで申告書を提出するのが簡単です。

2024年(令和6年)分、作成コーナーでの所得税申告書提出(Mac対応)

パソコンが苦手な方は、税務署や申告会場に行って提出するのが良いでしょう。

副業や、売上1,000万以下で、かつ、算出された税額をすんなり払えるかたであれば問題ないでしょう。

きっちり節税したい

確定申告をするだけでなく、きっちり経理して節税したい方向けです。

  • 年明けに楽に申告したい
  • 青色65万円控除を狙う
  • 会計ソフト導入は必須
  • 現預金の残高もきっちり合わせる
  • 国税庁の作成コーナーを利用する

青色申告の65万円控除を狙うなら、貸借対照表を作る必要があります。

そのためには会計ソフトが必要になります。

現金と預金の残高を実際の額ときっちり合わせることで貸借対照表を作ることができます。

現金残高はプライベートのものではなく、事業用の現金です。

経費ばかり入力して現金残高が赤字になってるケースがよくあります。

本来、現金残高が赤字になることはないので、この場合は、事業とプライベートのお金がごっちゃになっています。

黒字にするためには、プライベートのお金から事業資金を補填するということで「事業主借(または店主借)」勘定で現金残高をプラスにすれば問題ありません。

会計ソフトで貸借対照表と損益計算書が作成できたら、国税庁の作成コーナーで申告書を提出します。

会計ソフトに申告機能が付いてるものもありますが、作成コーナーのほうがとっつきやすいです。

ここまでやっても、やはり1年目は抜け漏れがあることが多いです。

使える節税策が漏れていないか不安な方は、税理士に依頼するのも良いでしょう。

顧問でなくても、単発の申告や申告書チェック、個別相談などを利用する方法もあります。

私自身も申告書チェックサービスや個別相談を行っていますので、よろしければお声がけください。

事業を更に発展させたい

売上が1,000万超えて、経理が複雑になってきた方、あるいは、事業を更に発展させたいかたは、税理士に依頼した方が良いでしょう。

  • 減価償却資産がある
  • 消費税の一般課税や還付申告を行う
  • 節税だけでなく将来の事業改善を目指す

消費税の一般課税を利用する場合は、課税区分の判定が複雑です。

誤ると大きな税額差になります。また、還付申告を誤ると修正申告のリスクもあります。

消費税の還付申告は税務署も慎重に審査します。

不正が疑われると税務調査が入ります。

金額にかかわらず、還付申告をする場合は、税理士に依頼するのが賢明でしょう。

申告だけでなく、今後の事業をより良くしていきたい場合は、税理士と定期的に意見を交わしながら経営判断を行うことをおすすめします。

中間決算のススメ

今日は、独立開業1年目の個人事業主がどこまで経理をやっておくべきかについてお伝えしました。

結局、ゴールをどこに設定するかということです。

とりあえず申告書を提出するだけでいいなら、自分で調べながらでも十分やれます。

無料相談や申告会場を利用しても構いません。

ただ、そういったところだと質問には答えてくれますが、あなたに最適なアドバイスまではしてくれません。

しっかりフォローしてもらうのであれば、税理士に定期的に相談するのが良いでしょう。

毎月でなくても構いません。

年に1回だとリスクがあるので、最低半年に1回は税理士と話すことをおすすめします。

中間決算やると年イチと大きな違いがあります。

年1回だと手遅れになることもあるので。

今後事業をさらに発展させたい場合は、税務顧問や定期的なサポートを受けることをおすすめします。

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