個人から法人へ。不動産を会社で管理する場合の注意点【所得税編】<No 291>
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第三者を通さない取引は慎重に
通常、取引は自分と相手の二者間で行われるものです。
ですので、自分と相手がその内容に納得したうえで取引が成立します。
しかし、不動産管理会社として作られた法人は、オーナーの同族会社であることが多く、
個人と法人間で第三者を介さない取引が行われます。
これらの取引には、恣意性が入るためその取引自体が正常に成立しているかどうかは疑いの余地があります。
このため、税務当局は正常とは異なる取引については、厳しい規制を設けています。
個人から法人へ建物を売却したら
個人が建物を売却したら、
- 売買価格>帳簿価格なら利益
- 売買価格<帳簿価格なら損失
が出ます。
売買価格>帳簿価格なら
仮に簿価1億円の建物を、1億5千万円で売ったら。
5千万円は個人の譲渡所得になります。
(譲渡費用も経費になります)
この譲渡所得は、個人が売買契約を締結した年度の確定申告において、
譲渡所得を申告する必要があります。
原則 引き渡し日
選択 契約締結日
引き渡し日と契約締結日が、年をまたいだら、いずれか選択することが出来ます。
また、
- 短期譲渡所得となるか
- 長期譲渡所得となるか
の判断は、売却した年の1月1日時点で決まります。
この時点で所有期間が、
- 5年以下なら短期
- 5年超なら長期
となります。
所得税の税率は、
- 短期なら30%
- 長期なら15%
とこれに、お住まいの住民税が加算されます。
売買価格<帳簿価格
仮に、簿価1億円の建物を7千万円で売ったら。
個人側 譲渡損失3千万円となり課税されません。
(他の譲渡所得と相殺できます。)
法人側 1億円の建物を7千万円で購入することができたので、
差額3千万円が「受贈益」として課税されます。
ただし、売買価格が時価(実際の市場の取引価格)の2分の1未満の場合には、
「みなし譲渡」と言って時価で譲渡したものとされてしまいます。
いくら安く買ったとしても、通常の取引価格の半分で買えることはそうそうありません。
とすると、税務署も「これは通常の取引でない」と判断して時価で取引が行われたものとして扱います。
当事者間の取引は慎重に
取引に第三者が介在しないと、当事者の思惑が入りやすくなります。
節税対策もやり過ぎには注意です。
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