試算表の分析をAIに頼むメリットとデメリット
<プロフィール・ご依頼>
Contents
税理士の仕事はなくなる?
今、何でもAIでできると言われています。
AIに置き換わってなくなってしまう仕事がたくさんあるとも言われています。
税理士もその一つです。
信じるかどうかは別として、私自身もAIにできないことを提供していけたらなと思っています。
それとともに、AIに置き換わるであろう税理士の仕事は何なのか、このあたりの分析も必要です。
そこで、実際にAIにどこまで税理士の仕事ができるのか、仮に試算表の分析をしてもらったらどこまで適正な結果を得られるのか、このあたりについて今日はお伝えしていきます。
試算表の分析をAIに頼むメリットとデメリット
まず、AIに試算表の分析をお願いした場合のメリットとデメリットはどのようなものがあるのか考えてみたいと思います。
メリット
- スピード
- 異常検知
- 無料
AIに試算表の分析をしてもらう場合、Excelのデータでもスクリーンショットでも構わないので、データや画像を取り込みます。
無料版の場合、Excelデータを取り込むと数式を読み込むので、重くなり1日の利用条件に達することがあります。
スクリーンショットだと軽いので、そういったことはありません。
その上で、プロンプトと呼ばれる指示文書を入力します。
「この試算表の分析をしてください」といった簡単な言葉でもそれなりの分析をしてくれます。
この時に注意すべきは、自社や屋号、自分の名前が映らないようにすること。
会計ソフトの試算表だと、社名が表示されるので、そうした箇所は消す、ぼかす、あるいはスクリーンショットで社名を隠した形で取り込むといった対応が必要になります。
そのうえで、まず、何よりのメリットは、そのスピードです。
読み込んだら数秒で分析してくれます。
合っているかどうかは別として、スピードは確かなもので、人間の能力をはるかに超えています。
税理士に依頼すると分析に数日かかるところを、一瞬で自社の数字を分析してもらうことができです。
また、自分の事業のどこに不具合があるのか、異常な数値を検知する点でも非常に優れています。
人間だと、見落とすこともあります。
税理士が使っている会計ソフトにアラート機能があれば別ですが、なければ見逃される可能性もあります。
その点、AIであれば、過去と比較して大きく増減している数値を異常値として瞬時に検出してくれます。
そして、一般の方にとっての最大のメリットは、無料で使えること。
以前の無料版は貧弱で使えない面もありましたが、現在では無料版でもある程度の分析は可能になっています。
何も分析せず放置している状態よりも、AIに経営分析してもらうことは有効でしょう。
デメリット
- 背景を理解していない
- 元データに依存
- それっぽく見える
- セキュリティ
背景を理解していない
AIに試算表の分析をしてもらう場合のデメリットとして、まず自社の背景を理解していない点があります。
税理士であれば、事業の成り立ちや過去の経緯、現在の状況を踏まえて判断してくれます。
数字だけでなく、その変遷を理解した上での分析が可能です。
例えばコロナの時期であれば、自社だけでなく世界全体で経済が落ち込んでいたという背景を踏まえて判断できます。
また、事業開始当初は設備投資が多かったり、季節変動のある事業であったりする場合もあります。
年間で見れば黒字でも、一時的に赤字になることもあります。
そうした状況を踏まえて判断できるかどうかは、人のほうがまだ強いでしょう。
元データに依存
二つ目は、元データに依存する点。
AIは元のデータが間違っていれば、正しい結果は出てきません。
いわゆる「ゴミを入れたらゴミしか出てこない」という状態になります。
勘定科目の誤り、二重入力、補助科目の未設定、仮払金や仮受金の放置があると、分析の精度は落ちます。
それっぽく見える
三つ目は、それっぽく見える点。
AIは自然な日本語で、それらしい回答を返してくれます。
そのため、正しいように感じます。
経営判断を委ねてよいのかは慎重に考える必要があります。
プライベート、趣味であれば影響は限定的ですが、ビジネスにおいて判断を誤ると大きなリスクにつながります。
セキュリティ
最後にセキュリティです。
AIに個人情報や自社情報を入力することで、それがどこかで利用されるリスクはゼロではありません。
自社名や個人名を入力しないなどの対策が必要です。
AIにやってもらうこと
これらを踏まえた上で、AIと税理士の役割分担を考えてみます。
- 異常検知
- 前年・前月の比較
- 粗利率、労働分配率、変動費、固定費の分析
AIが得意なのは、やはり異常検知です。
前月や前年との比較をさせて、異常な点がないかを確認する使い方は有効です。
また、経営に大事な指標の算出や分析も任せることができます。
税理士にやってもらうこと
- 適正な勘定科目、補助科目の設定
- 月次決算
- 分析の意味付け
- 税務判断
税理士には、まず基礎となるデータを正しく整備してもらいます。
適切な勘定科目や補助科目の設定を行い、その上で月次決算と財務分析、税務判断を行ってもらうのが役割になります。
AIは有能で、それなりの答えを出してくれますが、入力するプロンプトやデータが不適切であれば、適切な結果は得られません。
それらしい答えを鵜呑みにすると、知らないうちにリスクが膨らむ可能性があります。
これらを俯瞰して判断できるのが人間であり、税理士の役割だと考えています。
分析ができる・AIを使える
今日は、試算表の分析をAIに頼むメリットとデメリットについてお伝えしました。
AIは多くのことができるようになりました。
私自身も日々活用していますが、最終的な判断は自分で行います。
AIはあくまでたたき台であり、最終判断は人間が行うという点は今後も変わらないでしょう。
スピードや網羅性といったAIのメリットを活かしつつ、プロである税理士の目でダブルチェックすることが、より良い事業運営につながるのではないでしょうか。
そういう意味でいうと、分析ができる税理士を選ぶこと、さらに、AIを味方にしている税理士を選ぶ必要性は今後高まっていくでしょう。
<メルマガ「独立・開業メールマガジン」>
毎週月・木曜の正午に配信。
法人・個人問いません。独立されているかた向け。
駅のホームで電車を待ちながら読めるくらいの内容です。
メルマガに対する質問や疑問にも応えます。
こちらから
<You Tubeチャンネル「独立・開業コンサルタント 税理士 ユウジロウ」>
You Tubeで動画配信しています。
よろしければ、チャンネル登録お願いいたします。
こちらから
<単発・スポット>
